死霊館のシスター 呪いの秘密

 ヴァラクが見たくて。

タイトル

◆制作
原題:The Nun II 2023年 アメリカ

◆キャスト
アイリーン:タイッサ・ファーミガ
モリース(フレンチー):ジョナ・ブロケ
デブラ:ストーム・リード
ヴァラク:ボニー・アーロンズ

◆あらすじ
前回、シスターとなったアイリーンの元へ協会の要請が来る。かつて共に戦ったバーグ神父は病に倒れ、アイリーンは一人で調査に向かう。

バチカンの司教はヴァラクが復活していると話す。ルーマニアの聖カルタを起点に、修道女や神父が凄惨な死を遂げる怪事件が西へ西へと移動しながら続いていた。ヴァラクが次に狙うと思われた、老神父が焼き殺された南フランス・タラスコンの教会に向かうアイリーン。

アイリーンが乗りこんだ汽車に、同じ修道女の見習い修道士デブラが乗りこみ共に行くと言う。彼女はアイリーンを慕い、彼女の役に立とうとする。

気を失ったまま幻覚を見て、悪魔ヴァラクの狙いが聖遺物(キリストや聖人に纏る遺品)であること、友人のモリースが危ないことを察知したアイリーン。モリースは悪魔に殺されかけたアイリーンを救ってくれた恩人だったが、その際、悪魔ヴァラクはモリースに取り憑き、事件を起こしながら西へと彼に旅をさせていた。

カトリック文書館で古文書を調べ、悪魔ヴァラクの狙いが「聖ルチアの目」という聖遺物であることを知るアイリーン。その聖遺物は、とある修道院に隠され、その修道院が現在は女子寄宿学校になっていることを知って、現地へと急ぐアイリーンとデブラ。そこにはモリースがいた。

寄宿学校にいたソフィーが、昔からの言い伝えをアイリーンに教えた。礼拝堂のステンドグラスに描かれたヤギこそ悪魔であり、その目が光で赤く輝くという言い伝えに従って聖遺物「聖ルチアの目」の隠し場所を見つけるアイリーン。

だが隙をついてモリースに「聖ルチアの目」を奪われてしまい、悪魔ヴァラクが姿を現した。アイリーンはヴァラクに焼き殺されそうになるが、彼女は火炙りにされても燃えなかったという聖ルチアの子孫だった。

寄宿学校はかつてはワイン工場で、地下には大量のワインが貯蔵されていた。ワインはキリストの血、デブラと共に祈りヴァラクにワインを浴びせると、ヴァラクは退散していった。

***
フレンチー(モーリス)とアイリーンのコンビかなと思いきや、今回はアイリーンとデブラのコンビだった。それはいいんだけど、ストーリーが分散しすぎてる気がした。

悪魔vsシスターの構図が薄れて、フレンチーと寄宿舎にいる親子の交流が多くなってる。気持ちはわかるけど、そこはわかる程度に収めて欲しかった。見たかったのはヴァラクVSアイリーンだったから。

フレンチーがあちこちの土地を旅しながら、悪いことが起きるのが口調で語られているけど、そこを映像化して欲しかった。そうやってたどり着いた聖遺物の場所で、ヴァラクとアイリーンが戦う。ヴァラクには悪の力がありアイリーンには聖遺物と共に戦うデブラがいる。デブラの他にもいい人達が後押ししてる。フレンチーを悪魔側に渡すのか、それとも人へ戻するのか。そういう戦いにして欲しかった。

前回、ヴァラクの使い方よかったので期待してたのだけど、今回のヴァラクは出しすぎというか迫力もなくて悲しかった。悪魔に勝つのに「聖ルチアの目」を使うなら、アイリーンとデブラの2人の修道女の祈りという構図を綺麗に見せて欲しかったな。

不満な点ばかり書いちゃったけど、これって元がいいから言えるんだろうなとも思う。あまりにちょっとなーと思う映画はこんなにあれこれ思わないから。