一枚のハガキ

戦争に駆り出された100名の中年兵は、くじ引きで赴任先が決められた。フィリピンに行くことになった定造は、宝塚に行く啓太に一枚のはがきを託す。


◆制作
2010年 日本

◆キャスト
豊川悦司
大竹しのぶ
六平直政
大杉漣
柄本明

◆あらすじ
啓太は生き残り家に帰ると、そこには誰もいなかった。ずっとやもめだった啓太の父と、病気の時に看病して貰った啓太の妻は、男女の仲になり家を出たことを親戚から聞く。妻は啓太からはずっと連絡がこなかった。

自分が病に臥せっている時に、父が看病してくれたという。啓太はブラジルに行ってやり直そうと思い、荷物を整理していると定像に託されたあのはがきを見て、届けようと思う。
 
定造の妻友子は、定造を亡くしその後、義父母に頼まれ定造の弟と夫婦になるがその弟も戦争で帰らぬ人に。よくしてくれた義父母も亡くし、友子は1人で暮らしていた。そこへ啓太ははがきをもってやってくる。

「今日はお祭りですが、あなたがいらっしゃらないので何の風情もありません。友子」
定造と友子は一緒に畑を耕し、ともに笑いあってきた夫婦。その定造をなくした友子は、々と日々を送っていた。

が、啓太が訪ねてきた事によって、定造への想いがあふれ荒れてしまう。

あれる友子は酒を飲み自暴自棄になってしまう。啓太にブラジルに連れて行ってくれと友子は言う。もうここには何もない。定造もいない。友子は家を焼き払い自殺しようとする。そんな友子を見ていられず、啓太はブラジル行きをやめて麦を植えようと友子に言う。

***

赴任中、手紙を出さなかった啓太。帰れたら話せばいいと思っていたのかもしれないが、
そこに繋がりは生まれなった。荒れる友子の世話を焼き、生きる希望を探し結果的に友子を救った啓太は、自分自身も友子に救われてると思う。

相性なのか縁なのか。相手の気持ちがわかる。その心に寄り添えるというのは幸せのもとなんやろな。