天国の口、終りの楽園。

ダンシング・ハバナに出てた、ディエゴ・ルナが出てて 見始めたら、最期まで見てしまった。二十歳ぐらいで見てたら、セックスがらみの青春映画 と思ったのかなぁ。それとも、今と同じようにしゃれてるなと思ったのかなぁ。


◆制作
原題:And Your Mother Too 2002年 メキシコ

◆キャスト
ガエル・ガルシア・ベルナル
ディエゴ・ルナ
マリベル・ベルドゥ
フアン・カルロス・レモリーナ

◆あらすじ
少年二人(フリオとテノッチ)が人妻ルイサと、実在するかどうかわからない、天国の口というビーチを目指して車で旅をはじめる。

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あわよくば年上女性と、なんて思う少年二人。ホテルのルイサの部屋をのぞきにいくと、ルイサが泣いてる。そこでどうしたの?と聞かないあたりがいい。そ知らぬふりをして、セックスがらみの会話とドラッグで騒ぐ3人。

詳しい事は知らなくても(知っても人の人生、どうにもできん)冗談を言ったり笑わせる事で、気まずい雰囲気にならないように する少年二人が、優しくて微笑ましい。

旅は進み、ルイサの方から誘ってそういう事になってしまう。(最期には、2人ともそういう事になってしまうんだけど。)それをきっかけに喧嘩ばかりになってしまう少年達。

ルイサは自分が原因かと思うが、ルイサとの事はきっかけに過ぎず少年達の育ち方やそれぞれの恋愛や、思春期の不安定さを見せてる。天国の口というビーチを見つけ、旅が終わって数年後。大学生になったテノッチとフリオが、街でばったり会って珈琲を飲むシーンで、 ルイサのその後が出てくる。

ルイサは亡くなってた。自分がガンだと知ってたルイサ。そんなルイサにとって、少年二人との旅は心の痛みを 一時でも忘れさせ、残された時間をどう使うか決断する 旅だったみたいに思える。あの旅で少し大人になった少年二人。

馬鹿騒ぎしてた頃には戻れず、彼らが逢う事もなくなり。生きてるっていうのは、そういう事だよなと思う。いくらその時が楽しくても、誰も悪くなくても変わってしまう。生きて変わっていく少年二人、亡くなって変わる事が出来ない ルイサ。対照的でちょっと切ない。

映画そのものは、田舎の風景と青いビーチ。はだかの3人なので、重たいイメージもなく、ナレーションが多いせいか いやらしい感じもなく、のほほんと見れた。ディエゴ・ルナ、ダンス映画やってたからしまっているのかと思ったら、お腹がちょっとぽよんとしてて、あら、以外とおもったり。