幸福の罪

題名にやられちゃったかな。幸せなのに罪ってなんだろう?って。
原題:NEVINNOST 2011年 チェコ

◆キャスト
オンドジェイ・ヴェトヒー
アニャ・ガイスレロヴァ
ルデェク・ムンザール
ヒネク・チェルマク

◆あらすじ
愛する事が罪になる。リハビリ医のトーマスは、14歳の少女の証言から少女への性的虐待容疑で逮捕される。それをきっかけにドミノ倒しのように崩壊していくトーマスの家庭の結末は。

***

思ったより、悪くはなかったかな。この手の話が好きってのもあるんだろうけど。チェコの映画らしい。言葉とか流れる音楽とか、ちょっと雰囲気があって好み。

リハビリ医のトマシュは、妻のミラダと娘とミラダの前夫との間の息子ミラダの父と妹の7人暮らし。ある日、トーマスが診ている少女の日記を見た彼女の母は、トーマスを疑い警察に通報する。

小さな町なのかトマシュを逮捕し捜査する刑事ラダは、トーマスの妻ミラダの元夫。元夫の同僚?の刑事が何故かトーマスを罪に問おうとする。恨みを晴らしたいだろう?とか。

そういう人いるよねーって事なんだろうか。妻のミラダがラダに暴言を吐くシーンがある。あんたじゃ感じない。感じないのは私が悪いのかと思ったけど違った。みたいな台詞。

過激でうけたな。私が男性だったら、凹むか笑うかしかない気がする。離婚したことを恨んでラダがトマシュを逮捕したと思い込んでの事なんだろうけど。ちょっと頭を冷やせば、そんな私怨で裁判所まで動かせるわけじゃないってわかるのに。

事件は少しずつ、いろんな事が明らかになっていく。その見せ方は嫌いじゃない。ただ、最後の方で出てくる少女のシーン。2人の女性の顔を重ねなくてもいい気がする。そうしなくても、(あのままでいくと)少女のなれの果ては想像できるもの。

邦題があまりにひどい映画って事があるけれど、今回はよかった気がする。小さな秘密と幸福の罪。幸せで悲しく人を滅ぼしかねない罪。