23年の沈黙

終わり方が好きだな。


◆制作
原題:DAS LETZTE SCHWEIGEN 2010年 ドイツ

◆キャスト
ウルリク・トムセン
ヴォータン・ヴィルケ・メーリング

◆あらすじ
11歳の少女が麦畑で襲われ、自転車だけが残された。後日、彼女の遺体は湖から発見される。

23年後の同じ日に、13歳の少女が失踪する。

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アマゾンのレビューがあまりにも不評だったので、退屈だろうと思ってみたせいか思うほどひどくはなかった。何も知らずに見たら退屈したのかもしれないけど。

たしかにとても地味。これがドイツらしいと言われればそうかも。23年前の事件と今回の事件、関連があると言えばあるのだけど同じ動機の犯罪ではなく、繰り返しではない。そこに時間の経過が、重くのしかかる。

23年前の事件の時の、2人の心の動き方が正反対なのもいい。片方は仲間を得た気がしたのかもしれず、片方は吐き気がするほど後ろめたい心の闇を抱えてる。それが、23年後の動機にもなってる。

麦畑の映像は綺麗だったな。森の映像も。その綺麗な自然の中の、水辺に横たわる少女が悲しくて。街中の風景や人々の集いは、綺麗ではないけどちょっと安心させるものがあった。

登場人物も印象的だった。23年前の事件の少女の母親と今回の事件の少女の母親。事件の真相に近づく刑事とその上司、引退した前の事件の担当刑事。

しかし、あの上司、あーいう人っている。間違ってるのに、自分が正しいと思って人の意見を聞かないタイプの人。当たり前だけど、日本だけじゃないんだな。