リグレッション

ハリーポッターのエマ・ワトソンとデヴィッド・シューリス。


◆制作
原題:Regression 2015年 スペイン・カナダ
 
◆キャスト
イーサン・ホーク
エマ・ワトソン
デヴィッド・シューリス
デヴォン・ボスティック

◆あらすじ
 1990年、アメリカ・ミネソタで、父親からの虐待を告発した少女アンジェラ。刑事のブルース・ケナー(イーサン・ホーク)は、その事件を調べる。訴えられた父親は、記憶がないのに罪を認め、ケナー刑事は著名な心理学者(デヴィッド・シューリス)の協力を仰ぐことに。

アンジェラの記憶をたどりながら事件の真実を追うケナー刑事は、やがてこの町に秘められた恐るべき巨大な闇に迫っていく。

***

わりと早めにアンジェラがいう通りの事件ではないなと気付く。最初の警官の台詞、少女アンジェラの反応。違和感ありあり。少女は母は父のせいで苦労して、死んだという。父は酒に溺れ、母につらく当たったと。

その母が亡くなった後、父はカルト教団の一員になり父の作業場に彼らが集まり、悪魔の儀式を行っていたという。父は自分の妻が亡くなった後、教会に救いを求めたという。アンジェラの兄は家を出ており、それも家庭が異常だったからではないかと、兄に会いに行く刑事。兄もまた、黒い頭巾の者を見たという。

どんどん少女の話の裏付けを取ろうとするかのように動く刑事。だが、その刑事自身も追い込まれていく。夜中の無言電話、夢に出てくる頭巾の男。帰宅した際に襲ってくる男達。だが、1枚の広告を見て刑事は自分の考えに疑問を持ち始める。

刑事役のイーサン・ホークはよかったな。誰にだって妙な想像をすることはある。その不安な感じはすごく伝わってきた。エマ・ワトソンもよかったとは思う。難しい役だろうに、違和感はなかった。でも、この役は他の人の方がよかった気がする。もっと普通の田舎の子の顔の方があの役の異様さが出た気がする。

話の行く先は最初の段階で想像できるのだけど、それでも好き。映画はストーリーだけじゃないなと思う。兄が心理学者と話をするシーンの時。外の喧騒が遠くに聞こえ、空が見える。そんな日常風景の後、兄がいる部屋が映る。外は明るく無邪気なのに、部屋の中にいる兄の心はそれとは遠い場所にいるのがわかる。あの感じ。わかる気がする。

実話をベースに作られた話だという。アンジェラのような少女がいたとしたら、その後はどうなったんだろう。