16歳の合衆国

映画とは違う何かと話題のケヴィン・スペイシーと、まだ観てないけどラ・ラ・ランドのライアン・ゴズリング。


◆制作
原題:The United States of Leland 2003年 アメリカ

◆キャスト
ライアン・ゴズリング
ドン・チードル

◆あらすじ
16歳の平凡な少年リーランドは、ある日突然、障害者のライアンを刺し殺してしまう。ライアンはリーランドの恋人、ベッキーの弟だった。なぜ、少年は殺人を犯したのか。

繊細さゆえに心を固く閉ざした少年と、苦しみ、悩み、少しずつ小さな罪を犯しながら生きていく人々。そして、第二の悲劇もまた、唐突に訪れる。

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16歳のリーランドが恋人の弟を殺した理由。それが知りたくて最後まで観た。理由としてはわからん事もない、かな。あの年齢なら特に。ただ理解は出来るけど、あまりにも独りよがりというか。

リーランドの観察眼や頭の回転の良さ、正義感は観てて気持ちがよくさえあった。主演した男の子の目が、印象に残るのもそれかも。ただ、無垢すぎる。無垢すぎて信頼出来ない。安定感が無いというか、汚れたものも飲み込んで吐き出すだけの強さが無いというか。

そういう所を彼女は見抜いていたのか、彼より麻薬浸りの男を選んでしまう。いや、選んだというより、逃げ込んだのかな。彼の方を愛してたとは思えない。ていうか逃げ込むにしても、もうちょっとましな男はいなかったのかとは思うけど。

その弱さ狭さゆえに、世界は悲しみに満ちていると思い込んでしまう。マイナス面だけしか見えなくなってしまう。お決まりに自分勝手な理屈で罪をおかしてしまう。

彼に別の世界を観る機会があれば、彼のお尻をぺんぺんと叩く人がいれば、世界より、自分の足元に目がいっただろうな。自分の体を使って、時間をかけて何かを作る機会があれば、見てるだけじゃなく満足感を感じる事が、体験として彼にもわかったかも。

頭はいいが実感が無い。思春期はみんなそういう感じだったのかもしれない。そーいう思春期の愚かさ、未熟さ、純粋さはうまく描かれてた気がする。