ブレインゲーム

 サスペンスだけど、テーマは深い。(ネタバレ注意)アンソニー・ホプキンスが相変わらずいい。


◆制作
原題:Solace 2015年 アメリカ

◆キャスト
ジョン・クランシー=アンソニー・ホプキンス(羊たちの沈黙)
ジョー・メリウェザー=ジェフリー・ディーン・モーガン(スーパーナチュラル)
キャサリン・カウルズ=アビー・コーニッシュ(ポエトリー、セックス)
チャールズ・アンブローズ=コリン・ファレル(マイノリティー・リポート)

◆あらすじ
FBI特別捜査官のジョー・メリウェザーと若き相棒捜査官は、連続殺人事件の捜査に行き詰まり、元同僚のアナリスト兼医師ジョン・クランシー博士に助けを求める。

博士は引退し隠遁生活を送っていたが、ジョーの要請でいつ手をひくかわからないがそれでもいいならと捜査に加わる。

***

旧友のFBI捜査官、ジョーとキャサリンは連続殺人事件に頭を悩ませていた。遺体の首の後ろには苦しまないように刺されたらしい傷跡があり、連続した事件なのは確か。

ジョーは元同僚のジョン・クランシーの元をキャサリンと共に訪ねる。ジョンは予知能力があり今は一線を退いている。キャサリンはそんなジョンの力には懐疑的だが、ジョーはジョンを説得する。乗り気ではなかったジョンだが、血だらけのキャサリンの予知を見て捜査に加わる。

3人は最初の事件から見直そうと最初の被害者の家へ行く。そんな時次の被害者が。その部屋の壁には彼ら3人が到着した時刻を記した紙が残されていた。

被害者たちの共通点は病に侵されていた事ではないかと言うジョン。だが、1人だけその条件に当てはまらない者がいた。当てはまらない少年の遺体を司法解剖すると誰も気づいていなかったが、少年も又病に侵されていた。そしてその解剖の途中送られてきたFAXを受け取ったジョンは、捜査から降りると言い出す。

犯人は自分より能力の高い相手だとジョンは言う。だからこそ現場に到着した時間を前もって紙に書いて残し、FAXも送ってこれたのだと。

だがジョーはジョンをまたも説得する。そして事件の犯人はジョンの目の前に現れる。自分は病に苦しまないように一瞬にして被害者たちを救っているのだと。そしてそれはジョンにもわかるだろうと言う。

ここからがこの話はよかった。ジョーは犯人に撃たれ亡くなってしまう。ジョーも又病に侵されていた。そしてジョンは自分の娘が病に苦しむことを何年も前から予知し、そして実際にその苦しみを見ていた。白血病に苦しみ痛いと呻く娘にジョンは薬を。

病に苦しみつつ行きたいと願うジョー。病に苦しむ姿を見ているジョン。どちらも辛い。辛いがそれを胸に秘め続けるジョンと人々を何人も殺す犯人。どれが正しいとか正しくないなんて言えない命の話。

個人的にはサーが見られただけでも満足だけど、出来れば犯人役は別の人にやって貰いたかった。人の苦しみが見えてしまう事に耐えられなくて殺してまわるのか、能力を手に入れて神になった気分でいるのか、その両方か、それが見えてこなかった。ハンニバル・ライジングの時のギャスパー・ウリエルさんぐらいに、もろく傷つきやすく残酷な方がこの映画の犯人にはあってたんじゃと思っちゃった。