トゥルー・ブルース

 ジュリエット・ルイスの表情が魅力的で見始めた。


◆制作
原題:Too Young to Die? 1990年 アメリカ

◆キャスト

アマンダ=ジュリエット・ルイス
ビリー=ブラッド・ピット

◆あらすじ
養父にレイプされ家庭を飛び出し、結婚し破局、売春、ドラッグへと転落していく少女と、ピュアなハートを持つ青年との出会いと過激な愛を描く。

***

ルイス演じるアマンダ。継父にレイプされ母親からも見捨てられ、まだ幼く考え方も子供のまま。そんなアマンダは、ブラビ演じるビリーと出会う。ドラッグ、売春、アマンダには現実は絶望するほど非常。

そんなアマンダに安らかな時がくる。が、それも長くは続かない。アマンダが幼すぎて、周囲の噂になり出て行ってくれと言われる。

ビリーはアマンダを愛していると言う。君が頼れるのは俺だけなんだと。そしてまた売春、ドラッグ。挙句、アマンダは。

昔読んだ、依存と自己消失の話を思い出した。ビリーは依存型の人な気がした。アマンダを愛してると思い込んでたのかもしれないが、彼が愛してるのは自分だけ。誰かが幸せになるのは許せない。自分を尊敬しろ、頼れという感じに見えた。

アマンダがいなければ、頼ってくれる人間がいなければ、自分が情けなく思えるのだろう。
だから、アマンダの幸せを喜ぶ事をせず元の世界に戻そうとしたのだろう。

そしてアマンダは自己消失した人な気がした。自分が我慢すれば丸く収まると思ってしまう。誰かに食い物にされても自分が悪いと思ってしまう。幼すぎて噂になって、仕事にも影響するから出て行ってくれないかといわれた時、アマンダは自分が嫌われたと思う。私は誰からも愛されないんだと。

彼はアマンダが嫌いなわけじゃなく、自分の生活を守っただけ。彼には子供もいたし食べていかなきゃならない。でも、アマンダにはその区別が付かない。いくら好きでも一緒にいられない事があるとは思えない。誰が彼女を責められるだろう。

ビリーから離れ自分の幸せをつかんで欲しかったなと思う。不幸な生い立ちの人が、不幸になるのをみるのはきつい。

自分の望むように相手をさせるなら、他人はいらないのに。自分と同じ顔、同じ性格、同じ感じ方なら、自分だけでいいはず。違う人間同士が受け入れあえるから楽しいのに。気が合うって大事な事なんだな。

アマンダを責める気にはなれない。やった事が非道でも。でも、生い立ちが不幸なら何をしてもいいとも思わない。難しいなと思う。