フランスでは全面禁止、他の国でも禁止され、公開されたのは日本とアメリカだけだとか。
地獄でも、天国でもいい、未知の世界が見たいの。アンヌとロール、黒髪とブロンドの可愛らしい15歳の少女達の、美しく恐ろしい世界。
修道院の厳しい寄宿学校、何不自由ない家庭、平凡な日常。そんなことに満足できない2人の少女は、巧みな嘘、盗み、放火、年上の男を誘惑し、殺人へとエスカレートしていく。その早熟な嗜好が放つ残酷な悪のきらめきは、思春期の悲しい叛逆の華だった。
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大人、前の世代が作った価値観を押し付けられても、自分で確かめなきゃ納得できない。子供なら何の疑いもなく受け入れられるんだろうけど、そこまで幼くない。かといって、大人ほど冷静に行動できる訳じゃない。怖いもの知らずの危うさ。そんな時だからこそ、成立する物語なのかも。
テーマとしてはわかるけど、この映画に出てくる男性達がいとも簡単に少女の肉欲に走るのは、苦笑いするしかない。そういう嗜好の男性ばかりじゃないと思うし、欲望にまける男性ばかりじゃないだろうにちょっとリアリティにかけたかな。
悪なのに、若さと美しさが際立つのは好きかな。音楽も悪くない。あの時期の怖いもの知らずの無敵感、映画だからこそ描ける世界、悪くなかったな。