刑事ヴィスティング~殺人鬼の足跡~悪がうごめく町#7#8

最後が好きー。


◆制作
原題:Wisting Season 2 2024年 ノルウェー

◆キャスト
刑事、ヴィリアム・ヴィスティング(スヴェーン・ノルディン)
国家犯罪捜査局、スティレル(キッレ・ヘルム)
ヴィスティングの娘の記者、リーネ(テア・グリーン・ルンドバーグ)
リーネの恋人、トミー(マッツ・ショーゴード・ペテルセン)
刑事、ハンメル(マッツ・オウスダル)
刑事、ベンジャミン(ラーシュ・バルゲ)
刑事、ベロニカ(エヴリン・ラスムッセン・オサズワ)
刑事、センメルマン(ハルヴァルド・ホルメン)
FBI捜査官、マギー(キャリー=アン・モス)

◆7話 極秘任務 あらすじ

ライラのスーツケースは二重底になっていて麻薬が仕込まれていた。だが、ライラの指紋はハンド部分からしか検出されなかった。

ハナンが言うにはカーレットがスーツケースを運ばされたと言ってたという。スウェーデンのイエテボリのアパートで待たされた後、切符とスーツケースを渡された。誰かに話したら首を切り落とされるとカーレットは言っていた。

カーレットは有力な情報を持っていそうだが、居場所がわからない。フロンテクスにも協力を頼むことにした。国境警備の調整役だしインターポールにも国際手配を要請してくれるだろうと。

カーレットが名を変えて難民申請していたのをマギーが見つけた。最新の住所がわかったのでマギーとヴィスティングがいく事になった。自分も行くとスサンヌは言う。

ベンジャミンは、マギーが男から封筒を受け取るのを目撃する。ヴィスティングがマギーの部屋を訪ねるとマギーは不在で機密資料があった。ヴィスティングはマギーに信用できないならこちらも信用できない、帰れと言う。そこでマギーは話す事にする。

ベギは6年前に消息をたった。生まれはスウェーデンだが3歳でシカゴに引っ越した。語学が得意だったようで高校を卒業したらすぐに軍から奨学金を全額支給されてる。アフガニスタンに配置されるまでにいろいろ学んでた。語学、宗教、とても頭のいい人で危険をものともせず通訳に徹し人脈を築いた。ところがある日、ジープにのって姿を消した。人質になったと考えて取り戻そうとしたけれど、2年後、ハンブルクの事件現場で彼の指紋が検出された。密輸ルートを監督する立場にいるとみてる。

リーネは弟と話した事で、両親の離婚の原因がヴィスティングとスサンヌにあったのではないかと疑っていた。スサンヌに話を聞こうとするが、彼女は父ヴィスティングに聞いてくれと答えない。リーネが取材対象にしていたサミーが心を開いてくれたので、撮り続けろとでデスクは言う。リーネはカートについてサミーに聞くと、カートは売人だと話す。少年はカートのボスのところへ連れていくと、行き先を話さずリーネの車で2人で走り出した。その途中襲われた。相手はリーネの事を知っていて、24時間以内にヘロインを取り戻せと言う。リーネは相手の男を撃ってしまう。

◆8話 暗闇の正体 あらすじ

ヴィスティングとマギーはカーレッドを訪ね、ヘロインを運ばせた人物について聞き出そうとするが、心を開かないカーレッド。隙をついて逃亡しようとする。協力したら滞在許可がおりるかも。ヴィスティングが手を尽くすと約束したので、カーレッドは証言する事になった。

大きなアパートの部屋に連れていかれて、スーツケースを渡されてまたラルビクに戻った。受取人の顔は見るなときつく言われていた。もしも警察にばらしたら、首を切り落とされた写真を見せてきた。そのアパートを特定する為にカーレッドが協力する事になった。部屋が特定され踏み込むが中はもぬけの空だった。お腹がすいているというカーレッドの為にマギーが運転して、スサンヌと共に食事に行く。そこへバイクの襲撃犯が来る。ヴィスティングはカーレットをラルビクへ連れて帰る。

スサンヌはカーレッドと同じようにヘロインを運ばされたライラは、スーツケースを失くし、自分の部屋で寝るのは危険だと思ったのだろうと言った。ヴィスティングにいい言葉を知ったのよ。「許しは最上の愛の形である。自分にも他人にもと話す。

車の目撃情報があったので、ハンメルとベロニカは情報を確かめに行く。カートの車がありカートは薬の過剰摂取で亡くなっていた。

カートの周囲を洗ったところ、彼の元雇い主が20年以上前にハシシの密輸で有罪になっていた。それは広場でライラの生首を発見した目撃者の一人、サラモンセンという車椅子の男だった。20年前彼は麻薬所持及び使用で有罪になり、販売でも調べられたが証拠がなかった。今の店の経営状態は上手く行っている。車いすになったのは軍にいた時の怪我が原因じゃないかという。彼はアフガニスタン北部の軍にいた。ベギもそこにいた。

サラモンセンがベギに運び屋をする子供の調達場所を教えていたのではないか。ドラッグが行方不明になりベギはサラモンセンを責め、警告としてライラの生首を使ったのではないか。

渦中のサラモンセンが警察に来た。車の発信機を見つけた、聞きたい事があるなら直接聞いてくれと言う。サラモンセンは薬物依存症の集まりで問題を克服したと言う。その時、サラモンセンがあの言葉を言った。「赦しは最大の愛の形である」

その言葉を聞いて、ヴィスティングはカーレットとスサンヌを呼び出し、尋問中のサラモンセンの姿を見せ彼に見覚えはないかと2人に尋ねる。その時ハンメルがクリパスがヘロインを分析したがっているとヴィスティングに話す。ヴィスティングはハンメルとベロニカで明日一番でオセロに届けてくれと言い、自分はライラの葬儀に出るからと言った。

翌日、ハンメルとベロニカは出発する。その車の後を猛スピードで車が付いてきた。ハンメルは道の真ん中でスピンし、路肩の車の影に隠れる。後ろの車から降りた男たち2人は銃を持っていた。そこへ挟み撃ちのように警察の車が到着する。マギーがやってきて銃を構え、相手はマギーを撃とうとするが警察が打ち殺す。マギーが構えた銃は弾が装填されていなかった。

その後、ヴィスティングはスサンヌにいつから奴らと繋がってのかと聞く。スサンヌは夫と別れた後、依存症の集まりに参加していた。そこで知り合ったサラモンセンにスーツケースを運ぶことを頼まれた。それを子供たちにやらせてた。施設を維持するにはお金が必要だったとスサンヌは言った。

リーネは両親の離婚の理由を知った。母の浮気だった。そして飲んでいたピルをトミーに見られる。まだ子供は欲しくない。少なくても今はと話したら、トミーは出て行ってしまった。

ヴィスティングは、返せないままになっていたトールンの遺品を夫に返した。

***

生首からはじまった話はどう進むんだろうと思っていたら、麻薬組織、移民、軍と大きな話になっていった。そのわりに観れたのは、1人々の事情を丹念に描いてたからだと思う。実際、麻薬組織や軍の話は出てくるけど、話として出てくるだけで、実際は行くところのない子供たち、事件を解決しようとする刑事たちの事情と事件の経過だったりする。

ヴィスティングの家庭の事情、リーネとトミーの関係、ハンメルの家庭の事情も描かれているので捜査陣に思い入れもしてしまう。ハンメルいいわー。可愛くて憎めなくておじさんの可愛さが出てる。おまけに途中からハンメルが飼う羽目になったワンちゃんも可愛い。

リーネが仕事と恋愛の板挟みになる。トミーの気持ちはわかるけど、リーネは仕事に熱中するタイプなのは見ててわかりそうなものなのにと思う。ただ、シーズン1からの事を考えるとあれだけリーネに尽くした結果がこれと思うとちょっと悲しい。合わないとしか言えないのがせつない。

最後に向けて好きなシーンが3つ。1つはヴィスティングが犯人たちを罠にはめた事。次がマギーが犯人をはめたシーン、その覚悟と手口が見事過ぎて恰好よかった。最後がルーメンの遺品を夫に届けるシーン。ハンメルが行こうかと最初の頃に言ってたシーンが、ここにきて光ってくる。ルーメン生かして欲しかったなー。