刑事ウルリケ~連続猟奇殺人事件~

 全6話。ネタバレしてます。



◆制作
原題:The Roots of Evil ドイツ 2024年

◆キャスト
ウルリケ:ヘンリエッテ・コンフーリウス
ラーセン:ファーリ・ヤーディム
クリスタ:アンゲリーナ・ヘンチュ
マルク:フィリップ・シュナック

◆あらすじ
#1「芸術的な遺体」
旧東ドイツ地域の森の奥で、少女の遺体が見つかる。少女はナナカマドの花のベッドに寝かされ、体にはルーン文字が刻まれ何かの儀式のようだった。
#2「次の犠牲者」
新たな少女が行方不明になった。森の中で少女の遺体を発見したイングリッドは、殺された少女の体に刻まれたルーン文字から「ヴィーザル」という人物が出てくる神話にいきつく。#3「過去の記憶」
捜査を進める中で、ウルリケは幼少期に怪物のような狼に遭遇していたことを思い出す。同じ頃一緒にいたクリスタも知っているはずだが、その話になるとなぜか口を閉ざしてしまう。
#4「蘇る秘密」
ウルリケとラーセンはイングリッドに話を聞こうとするが、イングリッドは突然烏に襲われ片目を失う。捜査を進める中、20年前に殺されたカーラ・リップの事件にウルリケの父親と同僚のドゥッベが関わっていたことを知る。
#5「父の影」
長い年月を経てカーラ・リップの頭蓋骨が発見される。埋めたのはウルリケの父なのか。一方、クリスタと同じ施設で育ったイェンツが突然訪ねてきた。彼は自分こそがヴィザールだと告白する。
#6「儀式の時」
イェンツが運転する車が事故を起こした。同乗していたザブリナは連れ去られてしまう。制限区域の地下壕に女性が連れていかれたと聞き、救出に向かったウルリケもまた捕らえられしまう。ヴィザールの儀式が始まろうとしていた。

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わりと好きなタイプなんだけど、場面の切り替わりや無駄なシーンが多くて話がわかりにくかった。儀式とか隠ぺいされた事件とか要素は好きなんだけどな。なので自分用に整理してみた。

1話目で出てくる被害者、ナナカマドの白い花のベッドに寝かされ、体にはルーン文字が刻まれている。低体重で心臓に刺し傷、死の数日前に性的暴行されている。手首には特殊な方法で縛られた血種が出来ていた。手首の特徴的な血種は、20年前クリスタにつけられていた血種でもあった。被害者を見つけたのはイングリッドという少女だった。

被害者はイングリッドの家に来たのだが、イングリッドの親は被害者がドイツ語が話せないポーランドの人だからと追い返していた。

イングリッドは本を見つける。そこにはオーディンは神々の父、片目の神、ラグナロクの戦いで倒れた。オーディンと巨人族グリーズの息子ヴィーザルは森の戦士で、オーディンの敵、巨大狼フェンリルを殺し、その毛皮を剥いで鎧を作ったという話が書かれていた。イングリッドは森でヴィーザルを見かけていた。

ウルリケの弟マルクは、クリスタの娘と恋仲になっていた。クリスタの夫のフランクは、クリスタとの暮らしを守るため、ケーゲル兄弟(ラルフとトーマス)からの依頼で少女を誘拐してお金にしていた。ケーゲル兄弟は父親への殺人未遂を起こしていて西ベルリンにいたことがあった。彼らは片目が喜ぶと言っていたとフランクは証言する。そして自殺してしまう。

一方ウルリケは20年前の事件を捜査していた。20年前、クリスタはシュタベノウの施設にいた。シュタベノウには100人の子供がいたが今は閉鎖されている。そのシュタベノウからカーラ・リップという少女が消えていた。カーラの遺体を隠していたのはウルリケの父と上司のドゥッベだった。

ウルリケの母が西へ逃げようとして失敗し、国家反逆罪に問われる所を、事件を隠ぺいする事で逃れていた。クリスタとカーラを虐待したのは、ブラント次官と今の信託公社幹部、dr.メンヒェンバッハだった。彼は片目だった。彼らはイングリッドが今、住んでいる家を虐待の場所として使っていた。ウルリケの父はすでに亡くなっていたが、事件の詳細を部屋に隠していた。

20年前、シュタベノウにいてそれを盗み見ていたイエンツは、自分がオーディンの息子でありヴィーザルだと思い込んでいた。少女は死んでいない。ヴァルハラにいる。オーディンの計画だとイエンツは言う。ウルリケは助けたいとイエンツに言うが、それは無理だと自爆する。

20年前の事件はブラント次官とdr.メンヒェンバッハが犯人だった。クリスタ達が被害にあっていたその中でカーラ・リップが亡くなってしまった。孤児院にいる少女達が被害にあっていた。

20年後の事件はイエンツが自分をヴィーザルだと思い込み、少女たちを助けようとして悪霊から守るナナカマドの花やルーン文字を使い、ヴァルハラに送ろうと殺していた。という事なんだろう。

解らないのは、イエンツが何故自分をオーディンの息子だと思い込んだのか。孤児院から失踪した少女たちを誘拐する為に、ケーゲル兄弟に頼んだお金はどこから出てきたのかという事。

当時の西ドイツと東ドイツの経済格差や、時代背景が解っていたら、もう少し楽しめたかな。話を長くするためか、余計な描写が多かったけれど、笑えるシーンというか突っ込み所が多くて、後半に向けて笑いながら見た。(ミステリーなのにw)

ウルリケがラーセンに出したお菓子の歯ごたえの音が良すぎ。ラーセン、仕事と恋に迷いすぎ。ウルリケの同僚ホルガー・キーツマン、風見鶏すぎ。地雷地帯にずかずか入り、地雷を踏まずに目的地に到着するウルリケ、必要な時しか爆発しない地雷って都合よすぎ。最後に笑えたからいいとしよう。