トマス・H・クック/緋色の記憶

なかなか取れなかった賞をクックはこの本で受賞した。日本でもドラマ化したらしい。見てないけど。



◆制作
原題:The Chatham School Affair 1998年 アメリカ 文藝春秋

◆あらすじ
校長の息子とその家でお手伝いをしていた少女と女性教師とその同僚の男性は、一緒に過ごす事が多かった。 お手伝いの少女は字を教えてもらえるのが嬉しかったし、校長の息子は彼らと仲間でいることが楽しかった。

男性教師には妻子がいたが彼の妻は音楽や文学の話には興味がなく、音楽や文学の話が出来る女性教師に惹かれていくのは自然のなりゆきだった。女性教師も惹かれていたが妻子がある男性と知っているから、間をおこうとしたり気持ちを抑えようとする。

そんな矢先事件が起きる。チャタム校事件。

***

亡くなったのは男性教師の妻。 世間は女性教師を疑い裁判になる。彼女は最期まで自分がいけないのだと男性教師をかばった。ちょっとだけネタバレすると女性教師も男性教師も犯人じゃない。

校長の息子の目を通して描かれた物語な感じで話はすすむ。田舎ののどかな風景や思春期の少年の日記を読んでいるような感じがする。ちょっと年上の女性への憧れ、妹みたいな女の子の役にたつ誇らしい気持ち、兄のような男性教師に将来の自分を重ね合わせたり、そういう中で事件が起きる。

物語の最期の方で、校長の息子は年を経て老弁護士となり彼が男性教師の娘相手に裁判でも取り上げられなかった 真相を語りだす。といっても彼女は話が理解できるのかな?って感じなのだけど。

最後のシーンが印象的。