アルトゥーロ・ペレス・レベルテ/フランドルの呪画

絵画の修復が思わぬものを見つけた。

フランドルの呪画 (集英社文庫) - アルトゥーロ・ペレス・レべルテ, 佐宗 鈴夫
フランドルの呪画 (集英社文庫) - アルトゥーロ・ペレス・レべルテ


◆制作
原題:Le tableau du maître flamand 2001年 スペイン 集英社

◆あらすじ
絵画の女性修復家フリアは、15世紀の作品の修復を依頼された。X線で撮影すると、ラテン語の文字が浮かび上がる。「誰が騎士を殺害したのか?」

さらに調べるとこの絵の描かれる以前に騎士は妙な死を遂げていた。さらに画面のチェス盤にも隠された事実が。そんな過去の謎を追ううちに、フリアの身に危険が。

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絵画の修復家が、15世紀の絵画「チェスの勝負」の修復をする事になり、X線で撮影してみると隠し文字が判明。チェスをしている公爵と騎士、それを見ている公爵夫人という絵なのだけど、調べてみると、騎士は妙な死をを遂げていた。

チェスの盤面に誰が騎士を殺したのか、答えがあると思った修復家フリア(女性)は、その謎を解こうとする。

その矢先、絵の事を調べてもらっていた人が殺される。そして送られてきたのはチェスの駒。騎士が殺された15世紀の事件も、現在起きている事件もチェスが謎を解くカギになる。

主人公の女性が、チェスにあまり詳しくないという設定なので、私みたいにチェスの事を知らない人が読んでも、わかるようになってて読みやすかった。

チェスの名人として出てくるキャラもいい。なんか、格好いいんだよなぁ。こういう性格の人って素敵。

絵画の修復技術や画廊との付き合いとか、あんまり縁のない世界をこうやって見られるのは楽しい。

いろんな世界に詳しい人は作家は、他にもいるけれど(取材したりして、ちゃんと裏づけをとるらしーし)楽しみの為に知ろうとするんだよっていうのを強く感じたのは、レベルテならではな気がする。