パトリシア・コーンウェル/検屍官

ドライブの最中に、ひょいとよった本屋で何気なく手にしたのが最初だった。


◆制作
原題:Postmortem 1992年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
ドクターケイシリーズの1作目。リッチモンドで起こっている連続事件。被害者達は残虐な姿で発見されるが、被害者同士には何の関連も見出せず、捜査は難航。

犯行現場に残る強い体臭。遺体から発見された石鹸の残留物。検死局長のドクター・ケイは、事件に深く関わっていく事に。

姪のルーシー、童話作家のルーシーの母(ケイの妹)そしてケイの母、プライベートも面倒な事が多く騒がしい。そして、検死局の方も妨害が入ったりとケイを悩ませる。そんな中、ケイの身に危険が。

***

検視官という職業を、この本でなんとなく想像できたような。検視という仕事、仕事仲間との連携、取材に来る記者。女性として仕事人として、家族との関わり。

盛りだくさんの内容なのに、まとまってて読みやすい。メープルなんちゃら(忘れた。汗)という病気もこれで知った。

かなり後になって、コーンウェルのインタビュー番組をみた。コーンウェルは、事件記者として働いていた事。検死局にプログラマーとして働いていた事。

ドクターケイのモデルは複数と言いつつ、その一人当時検死局で働いていた女性検視官が、テレビに出ていた。思ったより年齢が上で、落ち着いた感じの素敵なおばちゃん。

作家になるには、いろんな知識が必要で、取材したりするのはあちこちで聞いていたけど、ここまで詳しいのは、日常的に見れる環境にいたのねと納得。

ケイシリーズを書いてから、一躍有名になったコーンウェル。ファンはミステリー好きだけじゃないらしく。刑務所から送られてくる不気味な封書や贈り物もあるのだとか。

防弾ガラスに銃携帯。有名になるのも楽じゃない。作家というのは、思うよりずっと大変な仕事みたいだ。

この本の後、検視官それに似た職業が主人公の本が増えたような気がする。もしかしたら、出版は他の本が先で、目についたのがこの本以降って事もありえるけど。

普段、この手の本を読まない人から、検視官って読んだ事ある?どんな本?面白い?って聞かれる事も多かった。翻訳ミステリーに、興味のない人の目についただけでも影響力のあった本と言えるのかも。