ロビン・クック/ヴァイタル・サインズ-妊娠徴候

不妊がテーマ。

ヴァイタル・サインズ―妊娠徴候 (ハヤカワ文庫NV) - ロビン クック, Cook,Robin, 克己, 林
ヴァイタル・サインズ―妊娠徴候 (ハヤカワ文庫NV) - ロビン クック

◆制作
原題:Vital Signs Intent 1992年 アメリカ ハヤカワ文庫

◆あらすじ
不妊に悩む女医マリッサは、体外受精に何度かトライしたが失敗し、それが原因で夫婦の仲も気まずくなっていた。そんな時、同じクリニックに不妊治療に通っていた患者が、自分のカルテを要求していたのに自殺した。

その事件をきっかけに、クリニックに通う患者の中に、結核性卵管炎という珍しい病気に、5人がかかっている事を知ったマリッサ。マリッサも自殺した患者さんも結核性卵管炎。何かあるんじゃないかと感じたマリッサは調べ始める。

***

知り合いから不妊で悩んだ話を聴いたことがある。正直なところ、痛いだろうしお金はかかるだろうし、不妊治療をしてまで、子供が欲しいという気持ちが最初はわからなかった。

授からなかったら仕方ないと思って、私は過ごしそうだなと。でも、友人の話やこの本を読んで、少しわかった気がした。

子供を持てるが持たないというのは選択した結果だけど、最初から持てないというのは選択肢がなくなる。

買い物と一緒にしちゃいけないけど、お金があるけど買い物しないというのと、お金がなくて買い物できないというのは、全然違う。そう考えるとなんとなく見えてくるものがある。

子供の場合、夫婦だけの問題じゃなくなるのもきつい。夫婦が納得しても、孫の顔、我が家の血筋が途絶えるとか他からのプレッシャーもあるだろう。

友人の話を聞いていて、代理母の気持ちもわかるような気がした。命の問題だから、簡単に貸すよーって言えるもんでもないんだけど。

子供が欲しい女性の気持ちと、それを悪用しようという人と、気持ちはわかるけど、負担が大きすぎてという夫がこの話には出てくる。悪用しようっていう人間、出てくるよなー。いつの世でも。

妊娠が原因じゃなくても、夫婦がすれ違っていく事もある。いろいろと考えさせてくれた一冊だったな。