好き嫌いははっきり分かれるかもしれないな。99年度MWA賞、最優秀長篇賞受賞。

記憶なき殺人 (講談社文庫 く 47-1) - ロバート クラーク
◆制作
原題:Mr.White's Confession 2000年 アメリカ 講談社
◆あらすじ
美貌のダンサーが絞殺された。捜査をしている間にまたもや美しい女性が犠牲になる。連続殺人の容疑で連行されたホワイトは、記憶障害があり自白させられ終身刑が下される。
尋問に疑念を抱いたホーナー警部補は、ホワイトが記憶をたどる術として書いていた日記を丹念に調べ始めた。そこには恐るべき真相があった。
***
事件を捜査するウエスリーの視点で描かれている。このウエスリーがなんとも。そこに手がかりがあっても、自分の事に手一杯で気がつかない。無能なわけじゃない。凡人。私と同じ。だからこそ嫌いになれない。
そういうウエスリーがした事。それによって犯人は自滅する。でもウエスリーはそれにさえ
気づいていない。
ホワイトは記憶障害のせいかもともとの性格なのか、悟ってる。物事をそのまま受け入れて
幸せでいられる人。
そしてマギー。彼女は好きだな。天網恢恢じゃないけれど、それぞれの性格ゆえに行き先が決まる。こういう展開はわりと好き。
最後までウエスリーに語らせて欲しかったな。あの最後はちょっと気がぬけて好き。