森毅/自分は自分「頭ひとつ」でうまくいく

いつの時代も変わらないものはあるんだな。


◆制作
1998年 日本 三笠書房

◆内容
人生の問題は、結果を予測しつつ上手に軌道修正していく力がモノをいう。ときには答えがはずれていても、そこに到達する過程の考え方や生き方で好かれたり、信頼されたりすることだってある。森流“ものぐさ発想・はみだし思考”で、頭が勝手に動きだす。

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ずーとこれでいいんかな?と思っていた事が、はっきりとよかったんだよと書かれていてすっきりした。

子供の頃、母と私の性質があまりに違うので、あれこれ考えた。母は何でも一番が好きだけど、私は一番が苦手。風あたりが強いし、目立ちすぎて照れるし馬鹿な事がやれない無言のプレッシャーを感じるのも好きじゃない。

かといってビリだと悪目立ちするし、母に馬鹿にされるのは目に見えていてそれも嫌。だからといって、真ん中あたりで安心ってのもなんか違う。それって周りを気にして、母に馬鹿にされないようにお茶を濁して安心してるみたいで。結局、何かに振り回されてる事にならない?と思うと、なんか違う気がしてた。

子供なりにあれこれ考えた事が、なんで順番を気にしないといけないの?自分らしくやれればいいじゃんって、周りと自分を比較するのを極力やめた気がする。
積極的「二番手人生」で上手くいくの章に、似た性質の事が書かれていて、私だけじゃなかったんだなとにんまりした。

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好きな事をすればいい。それが長く続かなくても構わない。続かないならそれほど興味がなかったという事がわかるわけで、いいじゃないと思う。

三日坊主はだめよって叱られたりしたけど、手をつけてみなきゃ、やりたいかやれるか解らない。三日坊主にならないように我慢しても楽しくないし、最初から手を付けなきゃ楽しいかどうかもわからないし、熱中できるものが見つからないのは、楽しくなさそうだなとずっと思ってた。

忍耐とか辛抱とかもともと嫌い。好きなことの為なら言われなくても辛抱もするし忍耐強くもなれるだろう。嫌いなものの為に我慢して何が得られるというんだろうと言うと、それは屁理屈というものよと叱られた。

叱られても私も頑固だから、口には出さずにいいんだもーんと思ってやってきた。そういう事を、いいんじゃないと言われたみたいでなんだかほっとした。

若い頃からすれば、考え方も少しずつ変わってきてる。母の考えも間違いだというわけじゃないし、人はそれぞれだと思うから口にしない事は増えている。でも言葉にしなくても通じたり、自分の情けなさ加減を人に見られても、こういうのもありって思えているのはこの本に出合えたおかげかもしれない。