ぼくのエリ200歳の少女

孤独な少年が恋に落ちた少女は、血まみれの吸血鬼だった。

◆制作
原題:Låt den rätte komma in/Let the Right One In 2008年 スウェーデン

◆キャスト
カーレ・ヘーデブラント
リーナ・レアンデション

◆あらすじ
いじめられっこのオスカー。孤独な少年の隣に引っ越してきた、謎めいた少女エリ。やっと友達が出来たと思うオスカーだが、エリとは夜しか会えない。同じ頃、街では失踪や殺人がおきはじめる。

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原作はスウェーデンの作家、ヨン・アイヴィデ・リンドクィスト。モールスという題名でクロエ・グレース・モレッツが演じてる映画もある。同じ話なのでどっちで観てもいいと思うけど、私はぼくのエリの方が好き。

夫はモールスの方がわかりやすいと言ってた。確かにそうかも。ぼくのエリでは、オスカーが内向的な少年なのがよく出てる気がする。離婚した両親の間を行き来するオスカー。思う事はあまり人に話さない。自分を抑える事に慣れた子。そういうとこを狙われたかのように、いじめられる。悔しいが、やり返せないオスカー。

友達が欲しいなと思いながらも孤独な少年に、黙っていてはだめと言うエリ。今まで抑えていたオスカーは、エリに格好いいところを見せたい男心も手伝って?いじめっこを棒で殴る。彼が、心を開き殻を破るきっかけを作った少女エリ。

けれど、オスカーは知ってしまう、エリが吸血鬼だという事を。その葛藤もこっちの方が出てた気がする。

人を殺してお金を盗むエリから遠ざかろうとするオスカー。したくてしてるわけじゃない、生き残る為にはこうするしかない事を少しだけでいいから、わかってというエリ。12歳のオスカーの葛藤が目に見えるよう。

そんな時、エリが危機に陥り彼女を助けるために人を見殺しにしてしまう。そして別れ。幼い恋は終わったかのように見えた。が、今度はオスカーが危機に陥って彼の答えが出る。

どちらが原作に近いのかわからないけど、モースルは恋物語でぼくのエリは、ホラーに思えたのは何故だろう。もし自分がオスカーの立場だったら、とてもエリと過ごす決断は出来ないんじゃないかと思う。

否、それほどに愛した相手なら、もしかしたら若さゆえに全てを投げ捨てて彼女と共に生きる決断をしたのだろうか。悲しい恋は物語の中だけでいいなー。