特捜部Qキジ殺し

カールとアサドのコンビ再び。ネタバレしてます。


◆制作
原題:Fasandraeberne/The Absent One 2014年 デンマーク・スイス・スウェーデン

◆キャスト
ニコライ・リー・コス
ファレス・ファレス
ピルー・アスベック
デヴィッド・デンシック
ダニカ・クルチッチ
サラ・ソフィー・ボウスニーナ
ジョアンヌ・ルイズ・シュミット

◆あらすじ
 ●20年前の双子殺人事件 。
特捜部に新しい秘書ローセが加わった。ある夜、1人の男性が20年前に捜査が終了している双子殺人事件の再捜査を頼んできた。明日は日曜日だと彼はいう。だがカールは男を無視して帰宅する。

その後、元警部のヤーアンスンが自殺したとして現場に呼び出されたカールは、ヤーアンスンが再捜査を頼んできた男だと気が付く。ヤーアンスンの最後の頼みを断れないと、カールはヤーアンスンが残した捜査ファイルを持って帰る。

20年前の双子殺人事件はビャーネという男が自首して捜査が終了していて、ヤーアンスンは精神障害を患っていると思われていた。ビャーネの弁護をしたのはセレブを顧客をもつ有名なクルムだった。カールはアサドを説得しビャーネの元を訪ねる。

ビャーネはあの事件の犯人は自分ではないという。ビャーネの家は裕福な家ではなかったのにクルムの弁護料はどこから出たのか。そして刑期を終えたビャーネは不釣り合いな家と車を手にしていた。ビャーネは株で儲けたという。

 ●キミーとディトリウとウレルクとビャーネの4人組。
ローセは捜査ファイルを整理していて、ヤーアンスンが他の事件も調べていたこと、日曜日や満月に執着し双子が殺された日、キアステン(キミー)が通報していたことを見つける。キミーは通報と同時に助けも求めていたが、今は行方不明になっていた。

カール達はキミーの義母に、彼女は手に負えなくて寄宿学校に入れたがその学校で教師クラウスにレイプされたと聞きクラウスに会いに行く。クラウスはあれはキミーの狂言だったと話した。罪に問われなかったのは学校からの圧力があって、学校を辞めるか告訴されるか選べと言われ、やめることを選んだという。

アーヤンスンの調書にあった暴行事件は、フェンスマークの森付近に事件が集中していてそれは日曜日に起こっていた。そしてフェンスマークの森は寄宿学校のすぐそばだった。事件が多発した当時、キミーは上級生のディトリウと付き合っていてウレルクとビャーネと4人でよく遊んでいたことを知る。

ディトリウはキミーとは数カ月で別れたし知らないと答える。屋敷にあった写真にウレルクとビャーネの弁護士クルムを見つける。

 ●キミーの友人の死
警察がキミーを探していると、何者かがやはりキミーを探していることをカール達は知る。その頃キミーは追っ手をかわし友人の家に行くが、友人はキミーを追う者たちに麻薬の急性中毒にさせられ死亡する。その直後にカールはキミーと対するがキミーは自分に構うなと言いカールを鉄パイプで殴って逃走する。

カールはキミーが狙われているとして捜査員の増員を頼むが課長は消極的。情報が洩れている事、ディトリウと警察本部長が同級生な事を指摘し課長を動かす。

キミーはディトリウの指示でキミーを追っていたオーベルクと接触すると彼を殺し、ディトリウを殺しに行くが殺しきれず警察に逮捕される。

キミーは長年にわたってディトリウに脅迫文を送っており、ディトリウとウルレクを逮捕できずキミーは病院に送られるだろう。だが更生してやり直してほしいとカールはキミーに言う。キミーはウレルクは被害者の遺留品を収集する癖があるとカールに教える。

 ●ウレルクの収集癖
カールはアサドをまたもや説得しウレルクの家に侵入を試みようとする。ディトリウの妻の協力でウレルクの家に入ったカール達は、使用人から彼しか入らない部屋の場所を聞き遺留品を確保する。その時、警報を知って戻ってきたウレルクに、カールとアサドは麻酔銃で撃たれる。

移送するときに付き合うと言ったカールが来てない事で事態を知ったキミーは、警護官の不意を突いて逃走。ウレルクの家に向かう。ディトリウ達はカール達にお酒を飲ませて崖から車ごと落とそうとしていた。

そこに駆け付けたキミーはディトリウを捕らえガソリンを浴びせ火をつける。キミーもその火で自殺する。キミーに気を取られた隙にカール達は拘束を解き、ウレルクは銃撃戦の末アサドに撃たれる。

 ●真相
数々の事件はディトリウとウレルク、キミー、ビャーネが起こしたものだった。キミーが教師クラウスにレイプされたという事件は、ディトリウが単位を落としそうだったので彼の指示でキミーはクラウスを罠にはめたのだった。

そして、キミーはディトリウの子供を妊娠していることを知り彼にそれを告げるのだが、ディトリウは迷惑そうでその直後に双子を襲った。双子の一人がウレルクの覆面をはぎ取ってしまった為、口封じの為に二人は殺され、それを目撃したキミーはショックを受け警察に通報後、ディトリウに自分に構うなと言う。

その晩ディトリウとウレルクはキミーを襲いお腹の子は流産してしまっていた。

***

キミーがよかったな。暴力が性的興奮にもなってた少女時代。気性が激しいのは誰の目にも明らか。だが、ディトリウ達が人を殺した事、自分が母になった事で状況が変わる。気性は荒いが愛情も深いのだろう。亡くした子を思い隠れ続けたキミー。だが友人が殺された事で彼女は立ち上がった。

それでもディトリウを愛してた。だから一度は殺すことを断念する。でも最後には彼を連れてあの世へ旅立つ。自分のものにはならない男、この世にいてはいけない男を愛してしまったキミーにはあのラストしかない気がする。