13人の作家による短編集。はみ出した世界にあるもの、人には堂々と言えない事、そういうドキドキ、ハラハラを集めましたって感じ。
ミステリアス・エロティクス: 恐怖と官能の物語 (扶桑社ミステリー マ 19-1)
◆制作
原題:Mysterious Erotic Tales 1998年 イギリス他 扶桑社
◆内容
ルース・レンデル、エドガー・アラン・ポー、パトリシア・ハイスミス、アンディ・ハリスン他13編
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13篇の中でもっともお気に入りが、ルース・レンデルの「秘密の副業」レンデルはもともと好き。ウェクスフォード警部とか。レンデルとポーの名前がなかったら、買わなかったと思う。タイトルがタイトルで、ちょっと買いにくかったし。
「秘密の副業」は、女性を怖がらせる事が楽しくなった男の話。暗い夜道で、他に誰もいない道に男女2人。女性からすれば怖い。男性からすれば変な風に誤解されないかと思う。
そんなハラハラがハラハラな間はよかった。
最後の結末のもっていき方が好き。読み終わってしばらくしてから、じわーと来る怖さ。
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もう1つ好きなのが、エドガー・アラン・ポーの「ペレニス」ポーがいなければ、本を趣味にしてなかっただろうなと思う作家の1人。ポー独特の世界が広がってて、ちょっとした後ろめたさを生み出すあの感じが懐かしく読めた。
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パトリシア・ハイスミスもよく見る名前な気がする。「待ち焦がれた男」は、ついついという出来心からはじまる話。誰にでも、わかってもらえる気持ちなだけに、わかりやすくて共感しやすかった。