ユッシ・エーズラ・オールスン/特捜部Qー檻の中の女

 自撮りする女たちを読んで逆に最初から読んでみたくなった。

特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 7-1)



◆制作
原題:KVINDEN I BURET 2012年 デンマーク 早川書房 (訳  吉田奈保子)

◆あらすじ
コペンハーゲン警察のカール・マーク警部補は、未解決の重大事件を専門に扱う「特捜部Q」を任された。しかし、あてがわれた部屋は暗い地下室。カール以外の人間は、デンマーク語すら怪しいシリア系のアサド一人だけ。だが、この新設された部署のおかげで予算は下りているらしい。上層部への不審はあるが仕事で結果を出さなければ話にならない。

自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査をはじめると、新事実が次々と明らかに。

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映画を先に見ている。話は知っているのにすんなり読めた。

特捜部Q檻の中の女

本と映画は別物と言うけど、この話はどっちもよかった。本と映画では少しずつ違う。映画ではカールが不器用でクールな男性として描かれているけど、本では不器用だけど仕事との折り合いをつけつつ、女には弱い。リアルな普通のおじさんの格好良さが出てる。

アサドも同じ。映画では気遣いが出来て器用になんでもこなす感じに描かれているけど、本では気は利くし頭はいいけど、変なお茶を入れたり知らない事も多かったりするのがいい。アサドは本の中では刑事ですらないし、ミレーデの弟に写真を見せるのはカール。そういう細かい部分は違っている。映画にするなら短いので整理して解りやすいように見せたのは正解だった気がする。