ブリジッド・オベール/森の死神

これがデビュー作だそうな。

森の死神 (ハヤカワ・ミステリ文庫 オ 2-2) - ブリジット オベール, 香川 由利子
森の死神 (ハヤカワ・ミステリ文庫 オ 2-2) - ブリジット オベール


◆制作 原作:La Mort des bois 1997年 フランス ハヤカワ文庫
◆あらすじ
森の死神が誰か探せ。全身麻痺、目も見えず口も聞けない状態で。主人公は全身麻痺。話したくても話せない。

彼女は殺人鬼「森の死神」を探し出し告発できるのか。

***

誰にも秘密を話せない事に安心するのか、みんな彼女の前で秘密をしゃべってしまう。ただ、質問が出来ないのが辛いとこ。みんな勝手にしゃべるだけ。会話が成立しないからヒトリゴトみたいにしゃべるが、本人にはちゃんと聞こえててそれがまたきつい。

そんな状態で、森の死神と言われる犯人を捜そうとする。この主人公のタフさ、明るさが好き。どんなに困った状況でも希望を見出せるのは、こういう人なんだろうなと思う。

食べたいものも言いたいことも言えない。かゆくても、鼻水たれても、自分で出来ない、言えない。普段、何気にやってる事がありがたい事だと思える。しようと思ったら、何でも自分で出来るのはありがたい事だと思い出させてくれる。

途中で犯人がわかったけど、最期まで一気に読ませてくれた。展開がはやいのって映画にかかわってたからなのかな。