スティーヴ・マルティニ/弁護人

マルティニ節健在だな。


◆制作
原題:The Attorney 2002年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
宝くじをあてたヨナには娘がいた。その娘ジェシカは窃盗・麻薬と荒れた生活をしていた。ジェシカはヨナが手にした宝くじのお金をあてにして、彼女の娘アマンダをゾランダという女性の手を借りて連れ去る。

ヨナは弁護士ポールに相談し孫の行方を探そうとしている矢先に、ゾランダが遺体となって
発見され、その容疑はヨナへと向けられる。

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マルティニを読んだ事があれば、犯人にたどり着くのは早いかも。犯人がわかってしまっても読めるのは、動機や真相にたどり着くまでの道筋が面白いからだろうな。

最初は単なる家庭内のいざこざ。とはいえジェシカは麻薬に溺れる傾向があるし、孫の身を案じるヨナとメアリー夫婦は、片時もじっとしてられない感じだけど。

そんな矢先、ジェシカがアマンダを連れ去るのに手を貸したと思われる人物ソランダが、遺体となって発見される。容疑はヨナに。児童福祉局内部のいざこざ、ジェシカが関わっていた麻薬がらみのマフィア、高齢のヨナの体調、証拠集め、自分と娘の身の安全。てんこもりで話は進んでいく。

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マーフィーだっけ?の探偵さんは、ちょっと悲しかったな。法廷での決着のつけ方も、あれしかないとわかってはいるけれどすっきりしない。そして、物語の最後で真相が明かされる時もすっきりはしない。気持ちはわかるけど、わかるだけにその手を使ったのが悔やまれるというか。

久しぶりにマドリアニにもハリーにも会えたからいいけど、私はどっちかというとハリーの方が好き。また、いつか、会えるといいな。