デボラ・D・クロンビー/警視の不信

 ジェマとキンケイドの行方が気になって。ミステリーも恋話も気になる。



◆制作
原題:And Justice There is None 2005年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
切り裂きジャックの再来か。凶刃の餌食となったのは、思いがけない妊娠に悩んでいた人妻だった。若い情夫は姿を消し、冷酷で金持ちの夫は複雑な過去を抱えていた。

現場を指揮するのは、やはり身重の警部補ジュマ。警視キンケイドとの新生活を控え捜査に没頭するが、そこには過酷な試練が待ち構えていた。


ジェマの妊娠がわかって、一緒に暮らす計画をたて引越しして、あれだけジェマを大事に思ってるのに、プロポーズしてないキンケイド。忘れてるのか。キンケイド天然だし。

ジェマちゃん。仕事がますます忙しくなる。一人息子はまだ手がかかり、お腹にもう一人子供がいて、キンケイドと一緒に住む事になり長年暮らした部屋から引越し。

仕事と引越しと子供の世話と妊娠による体調悪化。これだけ揃えば、誰だってカリカリする。こういう経験ありそーなものを持ってくるあたりがうまいなと思う。それにキンケイドが戸惑う。

なんとか楽にさせてあげたいと思っているのだけど、どこで手を出していいかわからない。
おまけに根が楽天家。余計にジェマをイライラさせる。(苦笑)

デボラ節は健在。今までの作品より登場人物が多い気がする。人間関係も時間の流れも複雑。事件が起きた街は移民の街と言われるような所で、二世達が育った環境(過去)と事件(現在)がからみあう。

ジェマの仕事に対する熱意、職場でのプレッシャー、家族への心づかい、隣近所の付き合い、事件の真相、妊娠、これでもかーってぐらいてんこ盛り。それでもきちんと読ませてくれるのは有難い。