特捜部Qカルテ番号64

 カールとアサド、4作目。


◆制作
原題:Journal 64 2018年 デンマーク・ドイツ

◆キャスト
カール(ニコライ・リー・カース)
アサド(ファレス・ファレス)
ローセ(ジョアンヌ・ルイズ・シュミット)

◆あらすじ
アパートの一室の壁が壊された時、ミイラが発見された。テーブルを囲んで4つの椅子に3体のミイラ。担当刑事にこの事件は無理だとカールは事件解決に動き出す。他部署への異動が決まっているアサドは異動まではまだ特捜部だとカールと事件の捜査に乗り出す。

ミイラの身元は1961年スプロー島の女性収容所にいた娼婦のリタ、従妹との間に子供が出来たニーデ、収容所が閉鎖された後、被害を訴えた人たちの弁護士をしていたフィリップだと警察は思う。部屋は長年収容所で看護婦をしていたギザが借りていたものだった。

スプロー島の収容所はふしだらな女か頭の弱い女の収容所で、中では医師のアクトが残酷な仕打ちを行っていた。彼は死体を家族のように並べた写真がお気に入りだった。

今のアクト医師は中絶手術を行う医師という事になっているが、寒い冬という団体をひそかに率いていた。寒い冬は白人至上主義で移民の子の中絶手術を行う際、本人の同意がない不妊手術を今も行っていた。それに賛同した人達が警察内部にもいた。フィリップ医師もアクト医師に手を貸していた一人だった。

***

アサドの知り合いの女の子が同意のない避妊手術をされていたことに怒り、アクト医師の元へ単独で乗り込む一方、カールはギザの捜査報告から単独でギザに会いに行く。

ギザと思われていたのはニーデだった。彼女は娼婦のリタと看護師のギザに騙され、アクト医師にお腹の子供を殺され不妊手術をされ二度と子供が産めない体にされていた。あのミイラはニーデの復讐だった。最後の椅子はアクト医師だったのだが、ニーデの従妹が彼女を幸せにしてくれたおかげで彼女は殺しをやめたとニーデはカールに語る。そして散骨に来たのだといい、彼女と彼女の愛する骨はともに消える。

アサドは単独で乗り込んだ移民の女の子の後を追うが、彼らは帰ったという。だが彼女の携帯電話はまだ建物の中だと知り引き返すアサドの前に、寒い冬のメンバーの警察官が銃を持て立ちはだかる。カールはそれを聞いてアサドの元にかけつける。アサドは薬を打たれ虫の息だった。

久しぶりに映画で泣いたわー。アサドの涙にもらい泣き。アサドの為を思い異動させようとするカール。カールの態度にショックを受けるアサド。そんな二人は最後にはお互い単独行動をすることになる。その結果、アサドは虫の息。病院で目を覚ましたアサドに残ってくれと言うカール。その言葉を聞いたアサドの目に涙が。もう、報われるアサドの涙と周囲を泣かせるぐらい不器用で人を引き付けるカールが好き。まずは回復させてくださいと言う台詞もアサドらしくて好き。

アクト医師という狂人に賛同して踊らされる人達とその狂人の被害にあってしまう人達。賛同してしまう人達の浅はかさに人の弱さを見る気がした。従妹との間に子供が出来たニーデ、いとこ婚って認められてない国もあるらしい。もしそうだとしても痛い目に合うのは女性ばかりっていうのがね。子供は一人では作れないのに。