アレックス・カーヴァ/悪魔の眼

2冊目、だけど、こっちの方がデビュー作らしい。

悪魔の眼 (MIRA文庫) - アレックス カーヴァ, Kava,Alex, ひろみ, 新井
悪魔の眼  - アレックス カーヴァ


◆制作
原題:A Perfect Evil 2002年 MIRA文庫 アメリカ 

◆あらすじ
小さな町で、新聞配達の少年が遺体で発見された。FBI捜査官のマギーと、保安官のニックは、事件の捜査にあたる。が、また1人、少年が行方不明に。

手口がすでに死刑になっている犯人と酷似しているのは、模倣犯なのか、それとも。

***

事件の流れとマギーとニックの恋物語が、並行して描かれてる。とはいえ、気持ちが通じ合うだけでマギーは人妻なので触れる事も出来ないプラトニックなものだけど。夫とすれ違っていく事を感じているマギー、過酷な職業と心の痛み、そこに付け込もうとする犯人。

マギーのキャラクターが面白くないと、読みにくかったかもしれないな。保安官のニックも家族との関係や自分の仕事や生き方に対する迷い、仕事仲間との関係や経験不足という中で捜査に当たらなければならず、そこにマギーへの恋心が重なる。

さらに犯人の過去と事件の動機が加わり、被害者の少年の1人(生き延びた)のけなげな姿も描かれラストシーンへと話は転がっていく。

これがデビュー作とは思えないほどなので、面白かった。ただ、1つだけ好みじゃなかったのはスタッキーが逃げたきっかけ。あれはいらなかった気がする。

きっかけはなんでもいいしそこまで話を繋げなくても。マギーに執着する理由はないし、スタッキーは少年を被害者に選ばないし、意味がない気がした。