スティーヴ・マルティニ著/沈黙の扉

 宝と父の正体と事件の犯人を追う。

沈黙の扉 (角川文庫 赤 マ 5-3) - スティーヴ マルティニ, Martini,Steve, 威蕃, 伏見
沈黙の扉 (角川文庫 赤 マ 5-3) - スティーヴ マルティニ


◆あらすじ

弁護士サムの元へ、ジェニファーという女性から、実の父を探してほしいという依頼がまいこむ。彼女は養女だった。養父はジェニファーの父母は亡き母と自分だという。だが、実母が亡くなった1年後にジェニファーの元へ手紙が送られてきた。羊皮紙とジェニファーの遺産を形見として贈ると書かれていた。

弁護士サムが出所をたどるうちに、男たちの欲望と企みが浮かび上がる。だが、核心に近づくサムの周りで次々に人が殺されてゆく。古びた航海日誌をきっかけに暴かれる壮大な物語は、4世紀の時を越える。

***

美しい女性ジェニファーが実父を探してほしいサムの事務所を訪ねてくる。ジェニファーの養父は実父の話をしない。単なる嫉妬とかそういう事でもなさそうで、そこにお金が絡んでる感じがする。おまけにジェニファーはサムに全てを話していない感じがある。

サムは今は別れた彼女パットと事務所を営んでいる。恋愛は終わったが仕事のパートナーは続いてる。とはいえ、サムがジェニファーの依頼を受ける事にパットは少し面白くなさそう。そこにサムの母まで絡む。

とはいえ仕事は仕事なので、サムは手掛かりの羊皮紙を調べ始める。調べ始めると大昔の宝の話が出てくる。おまけに事務所が襲撃され、サムも怪我を負う。サムに頼まれて協力したパットはある店に聞き込みに行った後、後をつけられ襲われる。パットが可愛くていいキャラなのに襲われるあたりで胸が痛む。

ミステリーは本線の他に伏線が惹かれる事が多い。今回は伏線に気が付かずやられた。それが気持ちよく、やっぱりマルティニは好きだなと再確認。1995年発売らしく初期の作品なのかな、マルティニにしては少し粗削りな気がした。否、もしかしたら宝探しに興味がなくてそう感じたのかも。どちらにしても興味のないテーマでも読ませてくれるのは好き。