ユッシ・エーズラ・オールスン/特捜部Q―自撮りする女たち

ローセが辛すぎる。

特捜部Q―自撮りする女たち─ 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫) - ユッシ・エーズラ・オールスン, 吉田 奈保子 特捜部Q―自撮りする女たち─ 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫) - ユッシ・エーズラ・オールスン, 吉田 奈保子
特捜部Q―自撮りする女たち─ 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫) - ユッシ・エーズラ・オールスン

◆制作
原題:SELFIES 2019年 デンマーク 早川書房

◆あらすじ
特捜部Qの検挙率が低く報告されていた。調べてみたらローセが送った報告書が数に入っていなかった。ローセはいったいどうしたのか。
そんな中、王立公園で老女が殺害される事件が発生した。さらに若い女性ばかりを狙うひき逃げ事件も発生。そして、ローセは。

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ユッシ・エーズラ・オールスンの本は初めて読んだ。ストーリーは好き。退職した刑事も気づいた事件と若い女性があうひき逃げ事件。ローセの過去にある事件。三つの事件を捜査する特捜部Qのスタッフたち。今回はローセの個人的な部分も出てくる。これがまた切なすぎて辛すぎて、ローセがどうなるかが気になって読んだといってもいいぐらい。そしてそれぞれが最後には結末を迎えてる。単純じゃないところは好き。

が、好きだからこそ、もったいないなと思う部分もある。余計な描写が多い。ローセが報告書を送ったメアドが変わっていた件とか、アサドのデンマーク語の訂正するカールがしつこすぎたり。事件の緊迫感がそこで途切れてしまう。

もう1つは、自撮りする女性たちに共感できなかった。事件の誰かに共感出来たら、それを捜査する捜査スタッフを応援したくなるけど、ひき逃げ事件は被害者にも加害者にも共感できず、好きにしてって感じだった。

もう1つの事件もやはり共感できず、ローセの過去だけが辛すぎて何とかしてあげたくなる感じだった。彼女の状態を読むだけで辛いのに、その上、事件に巻き込まれてひどい目に合うのはひどすぎる。これでもかって痛めつけられてるみたいで、好きなキャラだけに悲しかったな。