米原万理/魔女の1ダース

所変われば品変わる、ロシア語の同時通訳を生業とした米原さんの裏話。

魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫) - 万里, 米原
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章  - 万里, 米原


◆制作
1999年 日本 新潮文庫

◆内容
私たちの常識では1ダースといえば12。ところが、魔女の世界では「13」が1ダースなんだそうな。

米原さんが、また別の常識を書いている。所変われば品変わる、場所が変われば言葉や文化が変わる。

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若い頃に読んでいれば、もしかしたら冷や水を浴びたかもしれないけれど読んだ時期が遅かったな。冷や水まではいかず、どちらかというと裏話的な感じで読んだ。

自分との違いが、自分の位置を知る術になる。異文化に触れると、日本という国が見えてくる。自分とは違う考え方や価値観に出会うと、自分の性質が見えてくる。いろんな国のいろんな人が出てきて、とても真面目なのだけどとても可笑しくて、とても可愛くて哀しくて切なくて愛おしい。

米原さんの人が好きという目線が暖かくいい気持で読めた。