サラ・デュナント/裁きの地

ハンナに会えてうれしかったな。

裁きの地 (講談社文庫 て 9-2 私立探偵ハンナ) - サラ デュナント, 小西 敦子
裁きの地  - サラ デュナント


◆制作
原題:Birth Marks 1996年 イギリス 講談社

◆あらすじ
バレエの才能を見い出され、養母から援助を受けて、バレリーナの道を目指していたはずの女性(キャロリン)からの音信が途絶えた。

養母は、探偵のハンナにキャロリンを探してくれと依頼する。ハンナが彼女の事を調べ始めた矢先、キャロリンは帰らぬ人に。

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原題は、痣なのかな。時々、それはどうなの?っていう邦題もあるけど、裁きの地という邦題も今回は合ってる気がする。

訳のせいなのか、もともとなのかはわからないけど、もうちょっと書き込んでもよかった気はする。ちょっと、さらっといっちゃったなって感じ。

娘が大人になって自立していくと、母親になんでも話さなくなる。だからといって2人の母を嫌っているとか、そういう事でもなく、そういう親子の間の温度差みたいなものが、描かれてる。

バレエとはいえ、仕事となると純粋に踊る事以外の事も出てくる。給料、待遇、仕事仲間、体のメンテ、そういう事ももうちょっと生々しく出てくると、キャロリンがもっと身近に感じられたかも。まつげは、いいキャラだったな。もちょっと読みたかった。

面白く読めたのは、ハンナの葛藤。仕事と恋。馬鹿だと思いながら、ずるくはなれず。でも、時々ちょっとだけこずるくなって、自分を小さいと笑ってみたりする。そんなハンナが、好き。