フィクションは、当然だけど最初から犯人が用意されてる。実際の事件はそうはいかない。
捜査に加わった人達の努力が、事件を解決に導いていく。その努力や経過が書かれてる。
16の殺人ファイル (新潮文庫 ミ 5-1) - ヒュー ミラー
◆制作
原題:Proclaimed in Blood 1996年 新潮文庫
◆あらすじ
グラスゴーの中心街で、高級娼婦の撲殺死体が見つかった。被害者の爪の間から採取された物質を調べた結果、植物の組織であることが分かった。そして、これが犯人逮捕のきっかけになった。
過去半世紀に世界を騒がせた殺人事件をレポートし、かすかな痕跡をもとに事実を積み重ねて、事件解決に貢献する法科学者たちの活躍を描く。
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写真があるから、そういうのが弱い人は読まない方がいいかも。
なんでそんな本を読むの?と母にはよく呆れられたけど、人の心理とか裏で地道に努力してる人達の話を読むのが、好きなんだろうな。証拠分析のドラマも作られるようになった。
この本を読んでると、人間がどれだけ残酷になれる生き物なのかってびっくりする。ここまで人に対して、残酷になれるんだなって背筋が冷たくなる。
同時に、事件を解決しようという人達の情熱に人ってすごいなって思う。人間も捨てたもんじゃないなと思う。情熱が工夫をもたらし、新しい技術によって捜査法も変わる。そういう変化も興味深い。
わかりやすく書かれているけれど、決してドラマチックには書いてない。淡々と書いてくれているのがいい。その方がちょっと怖い気もするけど。