由良弥生/大人もぞっとするグリム童話

読む前から想像はついてたんだけど、とりあえず手にとってみた。子供に聞かせるには残酷すぎて、話に手を加えるのは、想像できる。日本の民話にも、その手の話は多い。




◆制作
2002年 日本 三笠書房

◆内容
 ●ヘンデルとグレーテル
家族全員が餓死するよりはと、夫に子供達を森に捨ててきてという話。継母が子供たちを捨ててきてというのが今はの話だけど、もともとは実母だったみたい。日本にも姥捨て山なとか、食べていけなくてという話は多い。
 ●シンデレラ
訂正される前のシンデレラ(灰かぶり)が出てくる。シンデレラは邪悪な魔女だった。善良な魔女の母がシンデレラが悪さをしないようにしていたのだがその母が死んでしまう。

人間の父は怖くなって、シンデレラを閉じ込めて町へ逃げ逃げた先で人間の女性とと結婚し、娘が生まれ家庭を作った。夫には豪華な家があると知って、娘たちを連れて引っ越してくる。そこにはシンデレラがいた。舞踏会のお知らせが来て、姉達は舞踏会に出かけるが、
シンデレラも出かけ、魔法の靴をおいてくる。

その靴をはけた女性は、王子様の花嫁になれると聞いて必死に靴に足を入れようとする姉達。つま先が入らない姉に「つま先を切り落としてしまえば?」と、かかとが入らない姉に「かかとを切り落としてしまえば?」と、囁く魔女のシンデレラ。

王様にいい顔を見せながら、裏では継母と腹違いの姉達を蹴落としていくシンデレラの行動力。ただ王女を夢見てる女性よりリアリティがある。怖いけど。
 ●赤ずきん
赤ずきんといえば、お使いを頼まれて森の中のおばあさんの家へ、届け物をするのだが、その途中で道草をしオオカミに先をこされ、おばあさんを食べられてしまう。そしてオオカミはおばあさんに成りすまし、赤ずきんを食べてしまう。オオカミが寝入っている所へ漁師が現れ、おばあさんと赤ずきんをお腹の中から救い出すという話。

赤い頭巾、若い女性。オオカミが近づいてくる。そのオオカミに食べられる。違う解釈が出来るのもうなづける。この場合、どちらが被害者なのだろうか。赤ずきんは森の中で、何故目立つ赤色の頭巾を着ていたのか。もし、それがわざと目立つようにだったとしたら。物語は見る角度が違うと、全然違う話になってしまうね。