グロリア・マーフィー/記憶を消した少女

善も悪もあるのが人間。盲目的に信じちゃうと危険かも。



◆制作
原題: A Stranger in the House 1996年 アメリカ 扶桑社

◆あらすじ
幼い娘と暮らすローレンは、フェアの会場で魅力的な男性と出会う。彼はジョナサンといい、 彼は妊娠中の妻を殺されたという過去をあった。事件を目撃した娘は、その時の記憶をなくし今も病院にいるという。ハンサムで優しいジョナサンにローレンは惹かれていく。2人は結婚し彼の娘を引き取るが、娘のエミリーは反抗的で仲良くなれない。エミリーは事件の容疑者にもなっていたらしく、どう付き合っていいかわからないローレン。

友達の所へ行くというと、危ないから送っていくというジョナサン。買い物に行くというと、重いものを持たせたくないから 一緒に行くという。最初は優しいんだと思うローレンだが、そのうち窮屈になっていく。1人で大丈夫だからと言うと、不機嫌になる夫。

心理的な束縛に気付かないローレンは、あんな優しい夫はいない。窮屈だなんて我儘かなと思いながら、日々が過ぎていく。気が付いた時には周囲の人から隔離され 電話一本かけるのに監視されてる事に気づく。助けを呼ぼうにも電話をかけられない。 逃げる事もできない。

周囲もおかしいなと思うものの、体調が悪いので 家から出たくないらしくてと夫に言われれば、それ以上強引にローレンに合わせてくれとは言えず。おかしいと察知した一人が、顔だけでもみたいとごり押しして家の中に入ろうとするが、強引に阻止される。不法侵入で警察を呼ぶと言われれば、どうにも出来ない。家族ではない以上、ひきさがるしかない。

エミリーがローレンへこっそりコンタクトをとってきた。エミリーは父ジョナサンが異常な事を知っていた。ローレンが子供思いなのも。エミリーがローレンに近づかなかったのは、ローレンが嫌いだからではなかったのだ。

***

事件に傷ついた優しく魅力的な男性。しかも娘がいる。そんな人が女性を騙そうとしてるとは、その場にいたら思わないかも。プロポーズされて結婚し、優しくしてくれる夫。女性なら夢見る展開だろう。

優しいからはじまり、嫌がると不機嫌になるので相手の言いなりになり心理的に拘束される。そのうち、一緒に行動するから車のキーは必要ないねと取り上げられその手で物理的に拘束される。気が付けば、がんじがらめ。その時には周囲への連絡手段がない。相手に合わせようとする優しい人ほど、はまりやすそうな罠。