美しすぎる母

ロンドンで起こった実際の事件を元に書かれたSAVAGE GRACEを映画化。


◆制作
原題：SAVAGE GRACE　2007年　スペイン・フランス・アメリカ

◆キャスト
ジュリアン・ムーア
スティーヴン・ディレイン
エディ・レッドメイン
エレナ・アナヤ

◆あらすじ
　●はじまり
１人息子のトニーを授かった。憧れのセレブな生活を満喫するバーバラ。派手で社交的なバーバラに対して、ブルックスはそういう事が苦手。外見は美しいものの、自分の願望を優先するバーバラにブルックスは嫌気がさしていた。

2人の関係が上手くいかない中、一人息子のトニーがバイセクシャルだとわかる。バーバラは受け入れるがブルックスは受け入れがたく、2人の仲はどんどん冷え切っていく。

　●父母の別居
両親の愛情に飢えつつトニーは大人になった。スペイン女性のブランカに出会い惹かれるが、ブランカは父のブルックスと恋仲になってしまう。

夫の愛を取り戻そうとするバーバラだが、すでに手遅れでバーバラはどんどん不安定になっていく。不安定な母をどうしていいか解らず、父に助けを求めるが父はトニーの助けを求める声に答えらえない。

　●母と息子の関係
不安定な母に絵を書く事や人脈を生かすことを勧めるサム。だが母は上手くいかずイライラ。サムは同性愛者で、トニーは自分を理解してくれるサムと肉体関係をもつ。だが、イライラが収まらないバーバラもサムと関係を持ち、いつしか3人の関係になっていく。

　●母の崩壊
容姿が衰えたバーバラは、以前より不安定になって自殺を図る。母を1人で背負うトニーも、疲弊していた。バーバラの知人の葬儀で、父に会うも声は書けてくれず失望するトニー。残された母と息子は、疲弊しながらも一緒にいた。

人には言えない親子での肉体関係。性的な混乱。母の依存。ある日、口論の末、トニーは母をナイフで殺害する。やっと解放されたトニーは、遺体のそばで食事をする。

***

バーバラは自分勝手ではあったけれど、社交的で人脈を広げる才能はあったと思う。もし、夫がそれを利用するタイプならバーバラもここまでひどくはならなかった可能性はある。バーバラは貧乏から抜け出し、誰かに愛され幸せな日々を夢見たのに、それを実現する方法が解らず迷ってしまった。でも、息子と関係するのだけは私にはわからんけど。

トニーがいい息子でなかったら、こんな事件にはならなかっただろう。母にお金をせびり家には帰ってこない息子なら、バーバラは他に依存する相手を見つけたはず。トニーは愛情に飢えていたからこそ、愛情を求める母と離れるのが見捨てるみたいに思たんかもしれん。

トニーはバイセクシャルである事や、父にその性癖を拒否られ家庭崩壊の一因になった事で、自分を責めてたんかもしれないな。