グレッグ・ルッカ/耽溺者

設定でさめてしまった。好みがあったら、作りとしては嫌いじゃなかったと思うんだけどなー。



◆制作
原題:shooting at midnight 2005年 アメリカ 講談社文庫

◆あらすじ
更生施設で出会ったライザとブリジット。しばらく連絡のなかったライザからの電話に、女性私立探偵のブリジッドは駆けつける。再び悪に引き込まれそうなライザを救う為、自ら危険に飛び込むブリジッド。2人の行く末は。

***

10代で麻薬、妊娠、過酷な境遇のライザ。だが、子供の為に必死で麻薬と手を切り働きながら学校へ行き貧しいながら、なんとか子供と2人の生活を守ろうとしている。そんなライザの家に、大金を用意するかまた麻薬と売春の日々に戻るかして、自分に奉仕しろと昔の男がやってくる。ライザはブリジットにその男を殺してくれと頼む。

当然、ブリジッドは断る。人殺しをするわけにはいかない。けれど、ライザを見捨てるわけにもいかない。

そこからのブリジッドの行動にさめちゃった。ジャンキーだから警察は味方してくれないとライザは思ってる。だからなのか、暴力に暴力で対抗しようとする。ライザもブリジッドも。

あの立場になればそうするのかもしれない。でも、出来ればライザには逃げて欲しかった。目の前からライザがいなくなれば、昔の男は探すだろうけど、誰にも連絡先を教えてなければ、手間とお金をかけてまで探すとは思えない。そんな事をするより、新しい犠牲者を探した方が早いだろう。

人を殺す事を考える前に、逃げる事を考えて欲しかった。友達にも家族にも連絡しない、居場所を教えない。それは淋しいことかもしれないけれど、子供と2人だし、新しい土地で新しい友達を作ればいい。

学校はだめになるかもしれないけれど、子供がもう少し大きくなってお留守番出来るようになってから、もう一度挑戦したっていい。今、全部、1度に解決しなくたっていい。

その後の話は、複雑で入り組んでて嫌いじゃなかった。どうしても、ブリジッドのやり方しか方法がないんだって設定だったらかなり好きだったかも。