クリスティン・マクガイア、カーラ・ノートン/完璧な犠牲者

マクガイアが検察官だったというのは知っていたけれど、彼女が手掛けた事件を書いたというので読んでみた。その実際の事件とは、小箱に詰められた女事件。



◆制作
原題:Perfect Victim 2000年 カーラ・ノートンとの共著 アメリカ 角川文庫

◆あらすじ
ヒッチハイクで友達の所まで行こうとしたコリーン。危なそうな車はパスし、同じ年頃で夫婦もので助手席には子供を抱いた若い奥さんの車に、乗せてもらう事にした。

それから7年、真っ暗な狭い箱に閉じ込められ1人の男性の好奇心と暴力の実験材料として奴隷にされるとも知らずに。奇妙な拘束具・ヘッドボックス、奴隷契約書。被害者のコリーンは、従順な奴隷となった。

事件が発覚したのは、犯人の妻ジャニスが耐え切れなくなり、教会で告悔したのち牧師に進められて警察に行ったからだった。

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この本の中でちょっとだけ違和感があったのが、最初のヒッチハイクのシーン。コリーンは気を付けたつもりで、男性1人の車は避けたのだろうけど、もし自分だったらと考えると、妻子がいても赤子を連れていても、なんとなく男性が嫌な感じがしたら、乗らないと思う。

夫が威圧的で、妻子が夫に気を使いながら一緒にいるというケースはよくあるから。犯人のキャメロンにはそういう感じはなかったんだろうか。

妻のジャニスが、犯人であり夫であるキャメロンが、被害者を選ぶ時のタイプがあるみたいな事を言っていた。妻は一応キャメロンから気を使われている節があるのに、コリーンはすっかり奴隷化してた。この二人の違いが、被害に合いやすいかどうかの分かれ目な気がする。

なんとなく痴漢の被害に合いやすい人というのが浮かんだ。痴漢は、派手なタイプは狙わないという。大人しそうに見える人の方が被害に合いやすいらしい。多分、はっきり言われて事が公になる危険を避けたいのだろう。

被害者にならない為には、自分の中の警報の感度が鈍らないようにしないといけないんだろうな。それともそうしていてもあってしまうものなんだろうか。