狗飼恭子/幸福病

読後感はよかったな。甘い果実のような感じ。  


◆制作
2006年 日本 幻冬舎文庫

◆あらすじ
恋愛小説家が、何気ない日常の幸せを綴ったエッセイ。どこがどうとは言えないけれど、読み終わった後イメージされるものってある。サラサラとした風だったり乾いた空気だったり、どっぷりと濡れる雨だったり。

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この本は果実だった。芳醇な果汁がしみてる感じ。決してあふれ出るではなくしみてくる。
平凡な毎日の中にそんなに劇的な事は起きない。大抵は、同じような1日。そういう毎日をつまらないと嘆くか少しでも楽しみを見つけようとするかで幸福度はかなり違ってくる。

1人の女性が時に泣き時に戦い時に笑い、ちょっとした幸せを見つけて 毎日をきちんと生きていく、自然体の姿がほのぼのと浮かんだ。