トマス・H・クック/蜘蛛の巣のなかへ

大好きなトマス・H・クック。一気に読んじゃった。


◆制作
原題:Into the Web 2005年 アメリカ 文藝春秋

◆あらすじ
 先がない父を看取る為、久しぶりに故郷へ戻ってきたロイ。弟が自殺して以来、古さをに帰るのは25年ぶり。

弟の自殺の原因を探るうち、父の秘密を知ることになる。町を牛耳る保安官の不審な行動。家族と地縁に縛られながら復讐のターゲットを見出していく。

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戻りたくない過去に、引き戻されてしまう主人公。切り離したつもりでも過去と現在が繋がっていて、そこで止まっている感情もあって、それをもう一度見直すきっかけになっていく。子供の頃にはわからなかった感情が、大人になってわかるようになったり、その時は必死で冷静に見れなかったものが、時がたって冷静に見れるようになったり。

そういう事が、今の親子の関係にも影響していく。性質が変わらなくても、見方が変わるだけでこれだけ違って見える。焦って思い込んではいけないよ。と言われてるようで、なんだか優しげ。