宮部みゆき/淋しい狩人

ミステリーだけど、ほのぼの。



◆制作

1997年 日本 新潮文庫

◆あらすじ
東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。店主のイワさんと孫の稔で切り盛りしている。この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。

平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挟まれていた名刺。父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく短編集。

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数年前、どこだかのブログで人を殺してはいけない理由を、子供にどう説明すればいいんだろうと書いてる人がいた。警察に捕まる事も罰を受ける事も構わないと言われたらと。この短編集の「詫びない年月」は、同じテーマで書かれてる。

他に好きなのは、「うそつき喇叭」と「淋しい狩人」かな。淋しい狩人は、事件そのものよりもイワさんと稔君の間の話が好き。

ミステリーの短編が6作入ってるけれど、ほのぼのと読めるのは、古本屋のイワさんと孫息子の稔君のキャラが優しいからだろうな。