ジョナサン・ケラーマン/サイレント・パートナー

 職業だけで、信用してしまうのは危険だというのがよーくわかる。みんながみんなじゃないけれど、切なくて気持ち悪くて悲しい。



◆制作
原題:Silent Partner 1991年 アメリカ 新潮社

◆あらすじ
アレックスは心理医の集まりだったかな、で、昔の恋人と出会う。また会おうというメッセージを残して、昔の恋人は死んでしまう。

何があったのか。自分に出来る事があったんじゃないかと、アレックスは彼女の死の真相解明に乗り出す。

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アレックスの昔の恋人の物語と言ってもいいかな。幼い頃の体験や、家族の過去のせいか、よくわからない女性というのが彼女の印象で、アレックスが別れた気持ちもわかるような。

人を翻弄するところやエロチックな部分を持っていて、人を裏切る罪悪感も薄いらしいけど魅力的。危険な人の中には魅力的な人がいるのは、何故だろう。お友達にはなりたくないけど。

彼女が心理学を学んだのも、人の心の病を癒したいというより人の心を操作したい方の気持ちが強かったんじゃないかと思う。曲解したり利用してる方が多い気がするのよね。暴力的な性格の人が、警察官に憧れるのと一緒かな。

彼女が欲しかったものは、手に入ったんだろうか。それを思うとちょっと切ない気が。