ウィリアム・バーンハート/殺意のクリスマス・イブ

悲劇になるミステリーばかりじゃない。優しい気持ちになれるミステリーって感じ。


◆制作
原題:The Midnight before Christmas 2002年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
元夫が息子に近づけないようにして欲しい、と美しいマギーという女性に依頼された女弁護士のメガン。マギーの元夫はアルコールの問題を抱えていて、家庭内暴力と毒物未遂の前科まであるという。

街はクリスマス・イブ、予定のないメガンはマギーの依頼を引き受ける事にした。それが、彼女の運命を大きく変える事になるともしらずに。

***

孤独なメガン。母を亡くし恋人もいない。クリスマスに過ごす相手は、おならをする癖の悪い犬だけ。美しいマギーには元夫がいて息子がいて、今は付き合ってる男性もいる。一見、マギーは勝ち組、メガンは負け組。

けれど、メガンは相手の事を聞く耳や見かけに騙されない洞察力があり、マギーは欲深い。実はメガンの方が恵まれてる。

この本のもう一つの楽しみが、わらしべ長者的な要素。最初は、メガンがとても大切にしていたお皿。それを強引に貰って、お返しにとなんだかわかんない絵を貰う。このあたりにメガンの人の良さが出て苦笑しちゃう。

この絵が次々にいろんな物に交換されて、そのたびに真相に近づいていく。