ノクターナル・アニマルズ夜の獣たち

これをミステリーと言っていいのか。ミステリー仕立ての昼ドラな気がする。


◆制作
原題:Nocturnal Animals 2016年 アメリカ

◆キャスト
スーザン=エイミー・アダムス
トニー/エドワード=ジェイク・ギレンホール(ブロークバック・マウンテン)
保安官のボビー=マイケル・シャノン(ハイ・クライムズ)
レイ=アーロン・テイラー=ジョンソン
アン・サットン=ローラ・リニー(真実の行方)
スーザンの夫ハットン=アーミー・ハマー

◆あらすじ
スーザンはアートギャラリーのオーナー。夫とともに経済的には恵まれてはいるが、夫には浮気相手がいて、心は満たされないという日々を送っていた。

ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてきた。

彼女に捧ぐと書かれたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。精神的な弱さを軽蔑していた元夫の小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。

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女性向けなんだろうなと思う。
エイミーはエドワードと恋に落ちる。だが、母のアンはエドには経済力がないし弱いと言って結婚を反対する。そんな事はないと反発するエイミーだが、エドの本に対する感想でぶつかってしまい、彼と一緒にいるのは無理だと彼との間に出来た子供を堕胎し別れを選ぶ。

その後、ハットンと再婚しアートギャラリーのオーナーとなったエイミーは経済的には豊かになった。が、夫には愛人がいて満たされていない。

そこへ元夫のエドからエイミーに捧ぐという本が送られてくる。夫が出張でいない夜、することもないエイミーはエドの本を読み始める。その本は昔の繊細なエドが書いたとは思えない暴力的な内容だった。

本の中のトニーという主人公は妻と娘をレイプされ殺される。その犯人を見つけるが証拠不十分で罪に問えない。肺がんで先がない保安官のボビーは、トニーに覚悟があるなら力を貸すという。そしてトニーは妻と子の復讐を果たし、自らも亡くなる。

本を読み終えたエイミーは、エドに会いたいとメールを送る。そして約束の日、エイミーは待ち合わせの場所へ行くが、エドは現れなかった。

エイミーは有能なのかもしれない。仕事は成功し夫も娘もいて、一見何不自由ない暮らしをしている。が、夫が苦しい時彼の心に寄り添ってこなかった代償が夫の浮気。その結果、自分が満たされなくなってる。

元夫のエドにひどい事をしたと自分でも言っているのに、再婚した後、6~7年たって自分から連絡し電話を切られている。なんでそんなことするんだか。夫にもエドにも失礼な事をしてる自覚はないんだろうな。そして20年もたってから送られてきたエドの本。

エドが本を送ってきたからか、もう1度エドに会いたいと送るエイミー。だがあの本の内容は、2人の間の子の堕胎。配偶者(エイミー)配偶者から切られ失い、エイミーを思う気持ちも死んだ。そこから着想を得た内容に思えるのに、会いたいと送れるエイミーにちょっとびっくり。

エイミーが愛したのは自分だけなんだろうな。相手を満たさず自分だけ満たされようとしてる事にエイミーはいつ気付くんだろう。