悪魔のような女(1996)

1995年のリメイク版。女優さんを楽しむ映画だな。


◆制作
原題:Diabolique 1996年 アメリカ

◆キャスト
ミア=イザベル・アジャーニ
ニーコル=シャロン・ストーン(氷の微笑)
ガイ=チャズ・パルミンテリ
シャーリー=キャシー・ベイツ(ミザリー)
エリック=アダム・ハン=バード(リトルマン・テイト)

◆あらすじ
全寮制の男子校の理事長ガイは心臓の弱い校長の妻ミアがいながら、教師の1人のニコールと愛人関係にあった。

それはミアも黙認していたが、ガイの暴力に耐えかねたミアとニコールは手を組み、ガイを殺す計画を立てる。

計画通りガイを殺害し、学校のプールに彼を沈めた2人だったが、翌日口実を作ってプールの水を抜かせたところ、そこにガイの死体はなかった。

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2人の女優さんが好対照でよかった。みんな違ってみんないいを地でいった感じ。

心臓の弱い妻ミアは元シスターなだけあって、清く正しく美しくなければと思っている。だが、そんな彼女の夫ガイは自己中心的な男。大勢の人の前で自分の言う通りにしろとプレッシャーをかけたりする。それに逆らえず泣きながら夫に従うミア。

ガイの愛人ニコールは現実的。お金も欲しい。男も欲しい。お宝は降ってはこないと言うタイプ。

そんな二人がガイの殺害を計画し実行する。ちょっとお粗末な部分は多い。周囲に音は聞こえ、遺体(と思っている)を運ぶ道でタイヤがパンクする。

そんな思いをして殺害したはずのガイの遺体が消え、遺体を包んでいたはずのシャワーカーテンが届いたりして、自分たち以外にこの件を知っている人間がいると暗示される。でも、ガイが消えた時点で彼は死んでないなとわかるし、そうだとするなら共犯者が誰かもわかる。

が、ここからミアとニコールの見せどころ。ミアは自分の罪悪感に押しつぶされそうになりはた目にもいつものミアじゃない事がバレバレ。元いた教会に寄付したり動揺しまくりのミア。こういう女性に殺人は向かない。慣れない事はするもんじゃないなというのが画面からにじみ出る。

それを必死に抑えようとするニコールは、タバコを片手にミアに溜息。なんとか落ち着かせようとするがミアはちっとも落ち着かない。挙句、寄付したというのを聞いて怒り狂う。教会は助かるだろう。ミアは罪悪感から逃れられるだろう。お金で心の平安を買ってるだけ。私は損するだけじゃない。そう言い放ちミアの元を離れるニコールだが、タバコを探して鞄をあさるとそこには現金が。それを見てミアの元へ戻るニコール。それが彼女のいい所。

元刑事で今は暇を持て余してるというシャーリーがまたよかった。眉も目じりもキリっと書いたキャシー・ベイツ。いかにも切れ者の元刑事。その刑事が最後に見せた女性への共感と温かさ。

話は古いしわりとバレバレだけどわりとよかったな。シャロン・ストーンの胸のラインの綺麗さ。イザベルのうるんだ瞳。キャシーの堂々とした貫禄。みんなよかった。