たった1通の手紙に、永遠に封印されるはずだった秘密。
この大発見を証明するため、ラモットの研究者モードに協力を仰ぎ事実を解明しようとするが、100年前の情熱的な恋に影響を受け、二人は次第に惹かれあっていく。
原作はA・S・バイアット。
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詩人アッシュの蔵書から、女流作家クリスタベル宛ての手紙を発見したローランド。アッシュは愛妻家で、他の女の話など聞いた事もない。もし、アッシュとクリスタベルが密かに交際していたとすれば、この手紙だけでもかなりの価値になる。
アッシュとクリスタベルがどういう付き合いだったのか、それを調べていく過程が面白い。
他にも虎視眈々と狙ってる収集家や教授などの動きも気になる。
アッシュとクリスタベルの間。これが切ない。アッシュには妻がいる。クリスタベルには彼女がいる。遠ざかろうとする2人。そうしなければ傷つく人がいる。その結末が、悲しく切なく微笑ましくたくましい。
クリスタベルの研究者モードとローランドが一緒に調べ始める頃から、二つの恋愛が交差していく。
ローランドとモードは、2人とも臆病になってる。傷つく事にも傷つける事にも。大人だからこその臆病さ。そんな2人の恋の行方に、アッシュとクリスタベルの恋の結末が、生き方が後押しする事になる。