死を招く森~引退刑事ベトゲの執念

 1989年、ベルリンの壁崩壊直前の西ドイツで発生した実際の事件を基に映像化。


◆制作
原題:Dark Woods 2020年 ドイツ

◆キャスト
トーマス・ベトゲ=マティアス・ブラント
アンネ・バッハ=カロリーヌ・シュッヘ
バーバラ・ネーダー=ジルク・ボーデンベンダー
ユルゲン・ベッカー=ハンノ・コフラー

◆あらすじ
1989年の夏、ニーダーザクセン州のイゼ森で2組のカップルが惨殺された。
そんな中、州刑事庁長官ベトゲの妹であるバーバラが彼女の家から跡形もなく姿を消した。当初、警察はカップル連続殺人事件と失踪事件との関連性はないと思っていた。

一方、バーバラを見つけたい兄ベトゲは、ハンブルク州の刑事であるためニーダーザクセン州での捜査を許可されなかった。
ベトゲは妹の事件を諦める事は出来ず、引退後、元部下やアンネとともに事件を追った。

#1
1989年の夏。イゼ森で2組のカップルが相次いで惨殺された。そしてベトゲの妹が消えた。
別居中の夫ロベルトと離婚協議を終えたのち、姿を消した。姿を消す直前、彼女はある男性と会っていた。

#2
ベトゲの妹バーバラが失踪して4年近くが経過した。警察は離婚調停中の夫ロベルトが殺害したと見ているものの、決め手に欠けていた。刑事アンネ・バッハは殺人未遂の前科がある庭師ユルゲン・ベッカーを疑い、女性検察官に働きかけて家宅捜索を行う。

#3
バーバラが消息を絶ってから長い年月が流れた。夫ロベルトは妻殺しの汚名を着せられ続け、ヴェーゼンブルク警察も検察もバーバラを捜索する気はない。兄のベトゲは引退した後、妹を見つけたい一心で、元部下のベーリンガーと元教え子のアンネを頼り、地道な捜査を開始する。

***

新米刑事のアンネが庭師を疑うが、相手にされない。先輩刑事はアンネの気持ちはわかるが警察内部の力関係に逆らわない方がいいと思ってる感じ。
ハンブルク州の州刑事庁長官だったベトゲは、融通の利かない頭の固さ。
違法捜査がはびこってはいけないので、融通は利かなくてもいいと思うんだけど、このせいで妹の発見が遅れる事になる。

長い時間がたっても妹を見つけようとするベトゲ。それに呼応するように事件を解決しようとするアンネ達協力者がこつこつと捜査するのも好感が持てた。
長年疑われ続けたバーバラの元夫の、疑いが晴れた時の顔を見ると辛かっただろうなと胸にくるものがあった。解放された時昔の方針が間違っていたとなると困るとさんざん邪魔をしておいて、バーバラが見つかった途端、自分たちの手柄みたいにマスコミの前に出る。
浅はかすぎて呆れて苦笑するしかない。その終わり方はよかったのかもしれない。
しめっぽくならずに済んだし。

アンネ役を演じたカロリーヌ・シュッヘさん、刑事さん務まるの?と思うぐらい細いんだけど、でもしっかり刑事さんの顔しててよかった。
ベトゲ役のマティアス・ブラントさん、落ち着いてておじさんで役にぴったりでよかった。
3話で終わるので、1話ずつ見れたのも見やすかった。