テーマは好き。
◆制作
原題:Plea of Insanity 2007年 アメリカ ヴィレッジブックス
◆あらすじ
子供の声でかかってきた通報。「たすけて、おねがい、やめて」
「心神喪失につき、無罪を申し立てる」被告側の思いもよらぬ主張に、検察側は色めきたった。デヴィッドが犯行当時、心神喪失状態であった可能性はある。しかし、死刑を求刑されている彼が病をよそおっているとしたらとも思う。
そして、ジュリアはこの事件に関わった事から、似すぎているあの事件を見ていた。彼女の心の奥底に隠されていたパンドラの箱を開けてしまった。遠い昔の記憶。この裁判の行方は。
***
意外性がなかったかな。希望としては気持ちよく出し抜いて欲しかったんだけど、それは望みすぎかもしれない。ジュリアの恋愛も、登場人物が出てきた段階で先が読めてしまい、事件の真相も読めてしまった。
ジュリアをねたんだり利用したりする人がわりと出てきて、そういう事をものともせず事件を解決に導いて活躍してくれと思っていたら、それもなく。そこも中途半端に思えた。この方がリアリティはあるのかもしれないな。私が小説に英雄を求めすぎなのかもしれない。
ありがちだけど、ジュリアとラットの恋愛描写はよかった。ラット、素敵すぎる。もうちょっと、ダナヤラを出してほしかったな。彼女みたいなキャラは大好きなのよね。
後、ジュリアに孤軍奮闘させすぎ。リックの秘書ももうちょっと出してほしかった。お友達にはなりたくないタイプかもしれないけど、見てる分には面白いキャラだと思う。
あれこれ、もったいない。
こう書くと全然面白くないみたいに思われがちだけど、もったいないっていうのはかなりよかっただけにという欲。面白くないものにはあれがこうだったらなんて思わない。興味が失せる。そういう意味ではジリアン・ホフマン、見つけたらまた買いそうだな。