秘密への招待状

前半で中身が想像できても観れた。


◆制作
原題:After the Wedding 2021年 アメリカ

◆キャスト
裕福な起業家テレサ・ヤング(ジュリアン・ムーア)
インドで孤児院を運営しているイザベル・アンダーセン(ミシェル・ウィリアムズ)
テレサの夫オスカー・カールソン(ビリー・クラダップ)
オスカーの娘グレイス・カールソン(アビー・クイン)

あらすじ
インドで孤児たちの救援活動に人生を捧げるイザベルは、施設の維持費を集めるために日々駆け回っていた。そんな時多額の寄付の話が舞い込む。ただし、メディア会社を経営する支援者のテレサ にニューヨークまで会いに行くのが条件だ。

話をまとめて一刻も早く孤児たちの元へ帰りたいイザベルを、娘の結婚式に強引に招待するテレサ。彼女の狙いは。

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アメリカ版プールと言ってもいいのかもしれない。それぞれの生き様が見えてくる。

インドで孤児院を運営しているイザベル。孤児院にいる男の子を可愛がっている。インドを離れたくはないが、孤児院を運営していくためにニューヨークへ旅立つ。

起業家のテレサはすぐに話をまとめて帰りたそうなイザベルを、なんだかんだと言って引き留める。娘が結婚するので結婚式に出てと言われて気乗りしないながらも出席。そこでテレサの夫を見て驚く。若い頃の恋人だった。テレサは何故、夫の昔の恋人に援助しようとするのか。それはもう自分の命が残り少ないとしか考えられない。そこまでは想像がついた。

が、ここからが話がちょっと複雑になる。ネタバレしちゃうけど、オスカーの娘グレイスの実の母はイザベルだった。イザベルは何故娘を手放したのか、結婚後にこの話を知ったグレイスの動揺と新婚なのに夫婦が上手くいかなくなっていく様子が、イザベルの若い頃と被る。責めるのは簡単だけど、理想通りには人生はいかない。

グレイスは実母を許すのか。イザベルはテレサの案にのるのか。テレサの夫オスカーはどうするのか。テレサには双子の男の子もいる。仕事と家庭。女性のテーマなのかもしれない。



ミシェル・ウィリアムじゃなかったら目に止まらなかったかも。彼女が出る映画は好きなタイプの映画が多い気がする。女優さんとしても好き。逆にジュリアン・ムーアは興味がわかない。が、彼女が出る映画も好きな映画が多い。

死を前にして全てを準備しておこうとするクールなテレサが、最後の最後で夫にしがみついてまだ死にたくないと泣くシーンは胸にきた。愛する人を残して死ぬというのは耐えられない辛さだろう。そういう目には合いたくない。

もう1つ心に残ったのは、居心地が悪いというのは悪い事ではなく、改善するきっかけになるみたいなスピーチ。会社を畳むテレサが一緒に働いてきた部下に言う台詞。仕事だけではなく家もそうかも。居心地が良くなるように片付けたり家族との過ごし方を考えたり。

イザベルがインドの孤児院で出会った子供のように思っている男の子に、一緒にニューヨークへ行かない?と聞いた男の子の返事が好き。友達と離れたくないからここにいる。自分の居場所があるのはいい。