ハント・フォー・キラー 狂気の呼び声/16年後の事件解決

 実在の少女誘拐・殺人事件を描いた衝撃の北欧サスペンス、全6話。




◆制作
原題:The Hunt for a Killer 2022年  スウェーデン フィンランド ノルウェー アイルランド デンマーク

◆キャスト
ペレ(アンダース・ベックマン)
モニカ(ロッテン・ルーシュ)
エリク(ホーカン・ベングトソン)
トニー(ラース・シルケン)
ベルイ(ラスムス・トルードソン)

◆あらすじ
 1話 不可解な電話
1989年、スウェーデンの町で、10歳の少女ヘレンが友人に会うと言って家を出たきり行方ふめいになる。失踪から数日後、黒いポリ袋に入れられた彼女の遺体が発見された。捜査が開始されるが、経験豊富な刑事ペレは担当から外される。そして、担当刑事アルネのもとに謎の男から不可解な電話がかかってくる。

2話 新たな被害者
1995年、ソフィアという女性が殺される。事件は未解決のまま、翌年のクリスマス前にはエリザベートという女性が失踪する。捜査に当たったペレたちは、レイプの前科があり現場近くに住むベングトという男を怪しみ取り調べる。

3話 阻まれた捜査
祖母と2人暮らしをしている若い女性ヤニカは、路上で客を取る売春婦だった。1989年の夏、彼女は遺体となって発見される。遺体の状況がヘレンと酷似していると知ったペレは、二つの事件が同一人物の犯行である可能性を視野に捜査を進める。ヤニカはピッグという男と関係を持っていた。しかし彼を取り調べるも、犯行を否認され釈放することになる。

4話 見落とされた証拠
2002年。ヘレン殺害事件の捜査が打ち切られて3年。休職していたペレは復職する。彼はヘレン事件の再捜査を決意し、モニカとエリクに協力を求める。あらためて怪しい人物を調べ直し、ヘレンの近所に住むレイフを聴取する。そんな中、ヘレンの遺体から採取したが調べられずに放置されていたDNAサンプルの存在が判明する。

5話 もう一人の被疑者
ペレのもとにヘレンを殺したという男から電話がかかってくる。文字を切り貼りした手紙も届き、モニカは犯人が逮捕されたがっているのではと疑う。そんな中、郡警察署長にマルムが就任、親交のあるペレは捜査がやりやすくなると期待する。そして2004年春、DNA鑑定の結果が出て、これまでの被疑者のDNAサンプルと一致するか調べることに。しかし、警察の経費削減によってペレたちはマルムから捜査期限を決められる。

6話 最後の難関
1976年、まだ若かったウルフはブロードの農場へ行き、そこで少女たちを預かって育てているエリアスとアリスに依頼されてポルノ写真の撮影をしていた。2004年、ヘレン殺害の被疑者となったウルフは一向に自白しようとしない。彼が以前住んでいたホール郊外の小屋をトニーが調べると大量の血痕が見つかり、それがヤニカのものだと判明する。しかしウルフが殺人を犯した証拠とはならず、捜査期限が迫ってくる。



6話飽きずに観れた。

少しわかりにくいのは、10歳の少女の殺害事件をどうしても解決しようとして、似た事件も解決しているせいだろう。ここに出てくる被害者は5人、犯人は3人。そこに警察内部の事情が絡んでくる。

モニカの聴取の仕方は疲れそう。コツは犯人と信頼関係を築くとモニカは同僚に話しているが、怖くはないのだろうか。彼女は穏やかに相手に質問する。責めるわけでもなく、ただ事実を確認している感じ。だがその質問が相手の心に響いて、内側から話させるように、頭をフル回転してる。それは忍耐力も考える気力も体力もいるだろう。

アオグスタ・ユングという女性を殺害したのはミケルという男性。ソフィアとエリザベートを殺害したのはベングド。このベングドの聴取が怖かった。彼から罪悪感が感じられない。戸惑っているような、彼も不運な人にすら思えてしまう。被害者を思うとやりきれない。

そして3人目のウルフ・ウォルソン。10歳の少女ヘレンと売春婦のヤニカを殺害した犯人。この犯人は見ていてこちらが混乱してしまう。幼い頃に虐待にあい、記憶があいまいなのか、覚えてないという。この2人が怖いと思うのは混乱してて辻褄が合わないし、理解が出来ないからなのかもしれない。

そしてそんなにレイプ犯や小児性愛者や殺人犯がいるのか。予算を削ろうとする署長、鑑識、証言をしてくれた人々。誰もそんなに悪くない。刑事たちも人。思い込みもする。何度も資料を読み、見落としはないのか、答えの出ない捜査と犯人への聴取。気が遠くなる忍耐力。

気になったので、事件があったホールビューとソフィアの事件があったクリスチャンスタードぐらいまでが、地図で見ると40kmぐらい。大阪神戸間ぐらいだろうか。資料があったマルメー署からクリシャンスタードまでが100km前後、ホールビューはクリシャンスタードとマルメーの間だと思う。大阪神戸間に犯人と疑われる人が20~30人。うーん、いるとしたらやっぱり怖いな。