箪笥

家族を崩壊させたのは、父か娘か。


箪笥＜たんす＞(字幕版) 

◆制作
原題：A TALE OF TWO SISTERS　2004年　韓国

◆キャスト

イム・スジョン

ムン・グニョン

ヨム・ジョンア

キム・ガプス

◆あらすじ

一軒屋の前でタクシーが止まった。降りてきたのは幼い頃に母を亡くした美しい姉妹。

父が再婚したので父の家にやってきた。再婚相手は若く美しい女性だった。姉は継母を毛嫌いし、妹は怖がるようになる。

家の中では奇怪な現象が起き、継母と2人の姉妹の間はどんどん悪くなっていく。そしてある日、言う事を聞かない妹を継母は箪笥に閉じ込めてしまう。姉は父に助けを求めるが、父は聞いてはくれない。

2人の姉妹の母はもともと弱い人なのかもしれないが、夫に愛人がいてその愛人が若く美しく絶望したのか、自殺している。姉は父に対する反発と思慕の両方を抱えたまま、継母には敵対心実母には自分を置いていった悔しさと孤独を抱えていてもおかしくない。しかも母が箪笥の中で首をつり、助けようとした妹が押しつぶされ2人とも亡くなる。

その時、もしかしたら姉は助ける事が出来たかもしれないが、その事実を知らずに継母に対する反抗心で、外に出て行ってしまう。

***

家の中で起きる怪奇現象の大半が姉の妄想。妹を助けようと思えばできたはずなのに、外にでてしまったせいで気が付く事が出来ず、罪悪感から自分が壊れてしまった。

時は戻せない。姉は自分を責めたのだろう。母と似てもろかったのかもしれない。心を病むまで自分を責めても事態は変わらない。それでも責めずにはいられなかったのだろう。

血まみれの袋を引きずった跡があったり、さすが怪談話だなと思うシーンはあるが、人を怖がらせるだけのホラーというより、人の悲しさが出てるのが好き。

罪悪感は人を滅ぼす一番毒な感情やと思う。